極薄ストリップのマイクロ圧延における摩擦潤滑メカニクス
Project/Area Number |
12F02770
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Material processing/treatments
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
真鍋 健一 首都大学東京, 理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIE Haibo 首都大学東京, 理工学研究科, 外国人特別研究員
XIE Haibo 首都大学東京, 理工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2013: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2012: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | マイクロ圧延 / 有限要素シミュレーション / 表面性状 / 圧延不良 / 極薄ストリップ / 異周速圧延 / 寸法精度 / マイクロトライボロジー |
Research Abstract |
本研究では異周速マイクロ圧延実験からFEMモデルに必要な基礎的な情報を得て、圧延不良を防ぎ優れた成形性と高精度で高品質の金属箔材を製造するために適した異周速マイクロ圧延における影響因子を解明することを目的とした。昨年度の成果を踏まえた当該年度における研究成果は以下のとおりである。当初の研究計画の大枠は達成した。 (1) マイクロ異周速圧延機の試作開発と供試箔材の材料評価試験 : 昨年度開発したマイクロ圧延FEMモデルの実験的検証のため、異周速圧延が可能なマイクロ圧延機の設計試作に初めて成功した。その後の性能評価により所望の圧延機特性が得られていることを確認した。供試材として用いた金属箔(ステンレスSUS304)の焼なまし処理によってマイクロ圧延で重要な材料因子である結晶粒径、変形抵抗の異なる箔材を製造し、引張試験でその力学特性を得た。 (2) マイクロ圧延におけるマイクロトライボロジーの観点からの素材表界面の変形観察と評価 : 上記供試箔材を用いたマイクロ異周速圧延実験を行い多くの実験データを収集した。その結果、種々の摩擦速度や箔厚の条件における表面アスペリティ部の変形挙動観察から、マイクロ圧延中の油膜厚と真実接触面積の変化を調査し、マイクロ圧延中の表面粗さ進展挙動が潤滑条件の影響を受けることを明らかにした。これは高品位な金属箔を得るための重要なマイクロ圧延における具体的な技術知見の一つである。 (3) FEAモデルの妥当性評価 : マイクロ圧延3次元FEM解析による表面あら進展と摩擦潤滑特性は定性的には妥当な結果を得ることができた。しかし表面アスペリティの塑性変形をFEAで十分にシミュレートできていないため、詳細な議論ができる段階まで至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的は得られた成果から大枠達成できており、成果として審査付ジャーナル論文1編、国際会議2件の発表を行うことができたことから、おおむね順調と評価した。 まだ細かな点では残されている問題、十分な結果が得られていないところもあるが、残りの研究期間で解決したい。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロ圧延の3次元FEMシミュレーションは工具接触による塑性変形を考慮した表面あれ進展をまだ十分に表現できていない。表界面の塑性変形に伴う境界条件が変化する本問題の解析に多大な時間を要している。3次元表面粗さをモデル化したFEMモデルはすでに完成し論文として公表しているので、表面アスペリティーの塑性変形解析の問題解決にはズーミング法の導入を計画している。その手法等を導入することによって解析時間の短縮も十分に可能になり、解析精度も確保できるようになるものと期待している。 その解決ができれば、残りの研究期間も当初の計画どおり研究がほぼ推進できるものと考えている。より高度な研究のためにはFEM結果と実験結果との定量的な比較が必要であり、トライボ特性評価に重要な高精度な膜厚測定法を導入することも検討する。 H26年度の残りの研究期間では研究展開として、ロールの摩耗、マイクロ圧延中の初期介在物、ボイド、亀裂の研究にも着手する計画である。これらの研究成果も出れば、本研究はより体系的なものになり学術的にも高い評価が得られるようになると考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)