局所体の代数的K理論と球面の安定ホモトピー群の構造の研究
Project/Area Number |
12J00204
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Geometry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 諒 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 球面の安定ホモトピー群 / 彩色ホモトピー論 / Bousfield束 / Picard群 / 代数的K理論 / 球面のホモトピー群 |
Research Abstract |
スペクトラムの圏を代数的に解釈する視点が本研究の主幹であり、特にその圏をBousfield局所化した状況の性質を見ることは1つの重要なステップとなる。本研究では、主にスペクトラムのホモトピー群、及び局所化した圏のBousfield束、Picard群といったものの解析を軸に置いてきた。 スペクトラムのホモトピー群で最重要なものは球面スペクトラムのホモトピー群、即ち球面の安定ホモトピー群であるが、これについて、研究代表者は高知大学の下村克己氏との共同研究により、彩色レベル2の情報に関係するβ元と呼ばれるものについて新しい元の存在を示し、さらにそれと既に存在が知られている元との積を考えることにより無限の新しい非自明元を構成した。特に、Adams-Novikovフィルトレーションが5,6,8という高い部分から無限の非自明元が生き残っているということが読み取れる点が極めて興味深いと思われる。また、同じく高知大学の下村克己氏との共同研究により、Miller-Ravenel-Wilsonによる彩色手法のアイデアに基づき、新しい彩色スペクトル系列のE_1項の構造を決定し、その応用としてSmith-TodaスペクトラムV(2)のホモトピー群での非自明元を新しく無限個発見した。 Bousfleld束の研究については、その概念を適当な圏の間の関手として再構成、および一般化し、この視点から従来の問題を見直した。特に、高知大学の下村克己氏と立原有太郎氏との共同研究により、レトラクト予想と呼ばれる1つの重要な問題をこの考えを元に一般化し、それが成立する為の適当な条件を与えた。その応用として、調和スペクトラムによりBousfield局所化されたスペクトラムの圏のBousfield束の構造の完全な決定と、レトラクト予想の成立を示した。 Picard群については、高知大学の下村克己氏と川元祐奈氏との共同研究により上谷-下村により与えられていたJohnson-WilsonスペクトラムE(n)により局所化された圏のPicard群とE(n)-based AdamsE_2項との関係性の類似を、Morava K理論スペクトラムK(n)により局所化された圏のPicard群との間で与えた。さらに、「特別な可逆スペクトラム」という概念を定義し、これらがPicard群の構造の本質の一部をまかなうと信ずるに足る事実を与え、「全ての球面でないE(n)-可逆スペグトラムは特別である」という予想を提示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の目的としていたものではなく、そこから派生した問題に関する結果が多く得られた。その為、研究の進展状況としてはよろしいであろうが、当初の計画としては遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究のそもそもの研究目的の達成のためには、極めて多くのステップが必要であることが分かった。その為、その1つ1つに対し研究方針を再度練り直す必要が有ると考えられる。例えば、局所体の代数的K理論について素数2の場合を解析するには、2-typical de Rham-Witt complexの概念の再定義から行う必要が有ると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)
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[Presentation] B元の積について2013
Author(s)
加藤 諒、下村 克己
Organizer
2013年度日本数学会秋期総合分科会
Place of Presentation
愛媛大学
Year and Date
2013-09-26
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