腹膜透析による合併症の発症メカニズム・新規治療法の探索
Project/Area Number |
12J00247
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Medical pharmacy
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
水野 智博 名城大学, 薬学部・薬学科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 膜補体制御因子 / 腹膜透析 / C5a / 腹膜中皮細胞 |
Research Abstract |
1.腹膜透析液暴露による膜補体制御因子の発現変化 ・申請者は、腹膜における膜補体制御因子の破綻によって、組織障害が惹起され、高浸透圧下、低pH下では、さらに増悪することも明らかにしてきた。この結果から、腹膜透析液の暴露が補体制御能を低下させていると考え、本研究を着想した。本年度の成果として、中皮細胞表面に発現する膜補体制御因子を、フローサイトメトリー法を用いて解析することに成功し、高浸透圧かつ低pHの腹膜透析液暴露により、細胞表面の補体制御因子発現が低下していることを見出した。以上の結果から、腹膜透析液暴露により補体制御能が低下していることが示され、臨床応用に向けた重要な成果となった。 2.補体制御機構の破綻を介した腹膜障害に対する抗C5a療法の有用性 ・申請者は、膜補体制御因子の機能を抑制することで急性腹膜障害が惹起されることを報告している。本研究では、上記した急性腹膜障害に対して抗C5a療法が有用であるか検討を行った。C5aを不活化する低分子ペプチド(以下AcPepAとする)を0.33,0.67,1.33mg/bodyで経静脈内投与したところ、1.33mg/bodyの用量で組織障害が有意に抑制された。1.33mg/bodyの投与量を用いて、AcPepA投与から6,12,24時間後の組織変化を確認したところ、各時点での組織障害軽減作用が認められた。さらに、C5a受容体アンタゴニストとAcPepAを用いて、その作用を比較したところ、同等の組織障害軽減作用が認められた。以上の結果から、腹膜組織障害に対する抗C5a療法の有用性が示唆され、臨床応用に向けた重要な成果が得られた。これらの結果を取りまとめ、学術誌へ論文投稿中であり、日本透析医学会、補体シンポジウム、国際補体ワークショップにて学会発表も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度前期の研究目標である「ラット腹膜中皮細胞に発現する膜補体制御因子の解析法の確立」「膜補体制御因子の破綻による急性腹膜障害モデルに対するAcPepAの投与量設定」後期の目標である「高浸透圧下・低pH下における、ラット腹膜中皮細胞の膜補体制御因子の発現解析」「上記急性腹膜障害モデルに対するAcPepAの治療効果の判定」については、研究成果も出ており、その目標を到達しています。2年目に目標を設定していました「研究成果の論文投稿」も一部行っていることから、当初の計画以上の成果、研究の進展が得られているものと考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)