フラストレート系における磁気伝導現象とダイナミクス
Project/Area Number |
12J00305
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物性Ⅱ(磁性・金属・低温)(理論)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
赤城 裕 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 近藤格子模型 / スピンカイラリティ / 幾何学的フラストレーション / チャーン絶縁体 / スピン波解析 / グリーン関数法 / モンテカルロ法 / バルク-エッジ対応 |
Research Abstract |
三角格子上強磁性近藤格子模型におけるスピンスカラーカイラル秩序相において、局在スピンに量子性を導入した際の輸送特性は明らかになっておらず、更なる新規現象が期待される。そこで本研究では、三角格子上の近藤格子模型が示すスカラーカイラル秩序相における量子揺らぎに起因した新規輸送現象を探るために、局在スピンに対するHolstein-Primakoff変換によりマグノンを導入した。フェルミオン系でよく知られたThouless-Kohmoto-Nightingale-Nijs (TKNN)公式と本質的に同等の式を導くようなマグノン(ポソン)流を定義することで、マグノンの輸送特性を調べた。 その結果、スピン-電荷結合系においても、自発的に発現したスカラーカイラリティに由来してマグノンホール効果が起こることが明らかとなった。また、周波数依存性においては、ボゴリューボフード・ジャン型のハミルトニアンで記述される本系特有の応答として、2マグノン過程が大きな応答を示すことが分かった。さらに、スピン-電荷結合定数を変化させることでマグノンホール係数の符号が反転することが分かった。これはスピンのみの系では見られない現象であり、電子状態におけるギャップ構造の変化間接ギャップ構造から直接ギャップ構造への遷移)と関連していることが示唆される。また、本系においては伝導電子とマグノンが結合していることに由来して、電場によりマグノン流を誘起することが可能であることも明らかとなった。そのため、この系では新規輸送現象として、電場誘起マグノンホール効果が現れることが期待される。 これらは工学的応用の可能性を秘めた結果となっている。例えば、本系と磁性絶縁相の接合糸が一つの応用例である。この系にマグノン流が流れ込むとホール電圧が得られるため、マグノン流検出器として応用や、マグノン流/電流変換器などのような応用が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(抄録なし)
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(23 results)