Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度は経頭蓋磁気刺激(Transcranial magnetic stimulation, TMS)を用いて, 一側手指の運動リズムが同側一次運動野(ipsilateral primary motor cortex, ipsi-M1)興奮性に及ぼす影響の研究をさらに進める目的で以下の通り実施した. 末梢からの感覚入力リズムの違いがipsi-M1興奮性変化に及ぼす影響について検討を行うため末梢電気刺激(Pcripheral nervestimulation, PNS)を用いて上記影響を検討した. 左尺骨神経に1,2,3Hzの異なるfrequencyのPNSを運動閾値上で与えた際のipsi-M1の興奮性変化並びにipsi-M1にPNS由来の感覚入力が到達する潜時を検討した. 末梢電気刺激後35㎳の潜時でipsi-M1の興奮性は有意に変化し, 1,3Hzではipsi-M1の興奮性は増加し, 2Hzではipsi-M1の興奮性は低下することが明らかになった. さらに, 1,2,3Hzの末梢電気刺激を600回与えた後のipsi-M1の可塑的変化を検討した結果, 1,3Hzと比較して2Hz条件ではipsi-M1の興奮性変化が低下し, その変化は少なくとも電気刺激後30分継続することが明らかとなった. 平成24年度で一側手指の1,2,3Hzのリズム運動はipsi-M1の興奮性を変化させ1,3Hzではipsi-M1の興奮性が増加し, 2Hzではipsi-M1興奮性変化が滅少することを報告しているが(Uehara et al., Behavioural Brain Research 2013), 末梢からの感覚入力のみでもipsi-M1に同様の興奮性変化が観察されたことから感覚入力もipsi-M1の興奮変化を誘発する要因の一つであることが示唆される. 上記研究結果は原著論文として国内学会の英文誌に掲載された. 平成24年度の研究でリズム運動中のipsi-M1の興奮性変化に影響を与えている神経回路網を検討するためにpaired-pulseTMSを用いてinterhemispheric inhibition (IHI)の計測を行ったが, その中で短潜時と長潜時のIHIの随意運動に対する感受性が異なる可能性が示唆された. この疑問を検討するために一側手指随意運動中に短潜時と長潜時のIHIの変化について検討を行った. 短潜時IHIは随意運動中に有意に増加したが, 長潜時IHIは安静時状態と変化はなく, 短潜時IHIのみ随意運動に対して感受性が高いことが明らかとなった. 上記研究結果は原著論文として国際誌に掲載された.
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