修辞のネットワークー言語コミュニケーションの創造的領域の研究
Project/Area Number |
12J00428
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Linguistics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松原 哲太 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012 – 2014
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2014: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2012: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 文法とトレリック / 修辞的効果 / 認知意味論 / 逸脱用法 / 意味の創造性 / レトリック / 相互行為 / 立法的逸脱件 / 修辞表現 / 認知的基盤 / 発話行為 / 不発 / ユーモア |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画で挙げた、研究目的(A)(B)(C)に関して、昨年度の研究実施状況を記述する。 (A)修辞的表現の意味を一貫した方法による詳細な記述 これまでのレトリック研究を4つのアプローチに区分し、これらを統合的に俯瞰する修辞現象のモデルを提示し、より包括的なレトリック分析を行うための理論的基盤について考察を行った。特に昨年度は、発話行為のレトリックを事例分析として取り上げ、シナリオ的知識の観点から詳細な修辞的意味の分析を行った。 (B)修辞学的分類のスキーマネットワークとしての再構築 広い意味でのメトニミーとされてきた「換喩」「提喩」「転喩」をとりあげ、二つの異なる表現効果を生み出す認知的メカニズムの共通性と相違点を考察することで、これらのレトリックの相互関係を明らかにした。この研究は、研究の第1年度、第2年度と継続して行ってきた換喩に関連するレトリックの研究を基盤としており、レトリックの相互関係に関する本研究の主要な成果の一つとなる、メトニミーの重要性と個別現象における特徴の解明を最も明確なかたちで提示するものである。 (C)言語コミュニケーションにおける修辞的基盤の考察 修辞表現の最も重要な特徴は、文法の観点からみると逸脱的であるにも関わらず、コミュニケーションの観点からみると効果的であるという点にある。この点で、修辞表現は、コミュニケーション上ネガティヴな側面(i.e. 逸脱)とポジティヴな側面(i.e. 効果)を同時に備えていることになる。この修辞現象の相反する二つの側面は、伝達主体が慣習的な言い回しから逃れ、効果的で印象的な表現を生み出すための工夫と、それに応える言語の柔軟性と創造性の反映として位置づけることができる。この結論は、レトリックのコミュニケーションにおける重要性を裏付けるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画における3年目の研究の主眼は、意味のゆらぎや詩的効果の問題である。この問題に取り組むために、これまで行ってきた研究をまとめ、一般的な理論的基盤を構築することを試み、その成果を博士論文『レトリックと意味の創造性-逸脱用法がもたらす表現効果の研究-』としてまとめた。この研究成果は、レトリックの効果の問題を論じ尽くすものではないが、今後の研究発展に大きく寄与するものであると言える。よって、本研究は、おおむね順調に進呈していると評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、多種多様な修辞現象のデータを観察記述することを通して、コミュニケーションにおけるレトリックの役割と本質の解明を試みた。本研究の重要な成果は、レトリックの言語学的研究の理論的基盤を構築し、包括的なレトリック研究の指針を打ち出した点にあるが、同時に、当然今後必要となるのは、個別現象のより深い考察である。特に、文法研究との関連で緻密な分析を行うことは重要であり、従来の言語学の知見を背景とするレトリック分析の手法を確立することは、今後の研究発展のために不可欠であると考えられる。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)