三重鎖核酸形成における標的配列の拡張を志向した新規人工核酸の開発
Project/Area Number |
12J00463
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤羽 昌明 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 三重鎖核酸 / CG塩基対 / TA塩基対 / 伸長後修飾法 |
Research Abstract |
昨年度、私は三重鎖核酸形成におけるCG塩基対認識核酸の開発を目的として、伸長後修飾(PEM)法により人工核酸塩基の探索研究を行った。その結果、(3S)-グアニジノピロリジノピリミジン-2-オン塩基がこれまでで最も高いCG塩基対認識能を示すことを明らかとし、さらにこの誘導体に関して、糖部修飾との組み合わせについて検討を行った。そしてグアニジノピロリジン誘導体の2', 4' -BNA修飾体(GPB)を化学合成し、Tm値を算出することでCG塩基対認識能を評価した。その結果、GPBとCG塩基対のトリプレットが、天然のフルマッチ三重鎖(T・ATやC+・GC)と同等の安定性を示すことを見出した。そこで本年度はこのGPBの有用性を精査すべく、その認識能の配列依存性について評価した。具体的には、まず標的配列中の複数カ所のCG塩基対を認識するために、三つのGPBを含むオリゴヌクレオチドを、PEM法を用いて合成し、Tm測定を行った。その結果、GPBを用いることで三カ所のCG塩基対を同時に認識することに成功した。ただし、その認識能はGPB間の距離が近づくことによって減少することも明らかとなった。 次に、GPBの認識能の一般性を評価するために、隣接する前後の塩基配列をTから5-MeCへと置換したオリゴヌクレオチドを合成し、Tm測定を行った。その結果、CG塩基対認識能は著しく低下し、GPBが前後の塩基配列によって認識能を大きく変化させることを見出した。以上の結果は論文としてとりまとめ、英国王立化学協会誌Chemical Communicationsにて報告している。 さらに、本年度はこのCG塩基対認識における配列一般性の解決にも取り組んだ。具体的には、当研究室で得られた過去の知見をもとに新たな誘導体N,N-ジ置換3-デアザシチジンを設計し、前後配列の異なるオリゴヌクレオチドをPEM法によって合成し、本誘導体の塩基対認識能を評価した。その結果、3'側の塩基配列を置換した配列において、(3S)-グアニジノピロリジン構造を有する誘導体がGPBを越える高い結合親和性と塩基対選択性にてCG塩基対を認識することを見出した。この結果は現在、論文として取りまとめている。 一方、TA塩基対認識核酸の開発に関して、昨年度はCG塩基対認識研究より得た知見をもとに核酸塩基コアの探索を行った。スクリーニングの結果、アミノピリミジン骨格を有する人工核酸がTA塩基対を選択的に認識することを明らかとした。そこで本年度は、アミノピリミジン骨格を有する2', 4'-BNAを設計し、本誘導体をPEM法によって合成すべく、前駆体となるモノマーの合成を実施した。そして合成したアミダイト体をオリゴヌクレオチドに導入し、PEM法による、本誘導体を含む種々のオリゴヌクレオチドの合成を達成した。今後はこれを利用してTA塩基対をより強固に認識するための誘導体のスクリーニングが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず三重鎖核酸形成におけるCG塩基対の認識に関して計画書のようにオリゴヌクレオチド上での化学反応(PEM法)を活用して、多様な誘導体の合成と評価を行った。その結果、既存のものを遥かに凌ぐ認識能を示すグアニジン誘導体の探索に成功し、その成果を論文として発表した。次にTA塩基対の認識に関して、昨年度はTA塩基対を選択的に認識するアミノピリミジン誘導体を見出したので、本年度はPEM法を利用して本誘導体のスクリーニングを行った。その研究結果は現在論文として報告する準備をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)