有効かつ安全なナノ医薬品の設計に資するナノマテリアルの安全性評価マーカーの探索
Project/Area Number |
12J00497
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東阪 和馬 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ナノマテリアル / バイオマーカー / プロテオミクス |
Research Abstract |
申請者は、ナノ医薬品の安全性を開発段階において、早期に予測・診断できる安全性評価マーカーの探索を図り、その基礎情報の収集を推進している。当該年度は、薬物送達担体として期待される非晶質ナノシリカを対象素材とし、急性期における生体影響を反映した発現変動蛋白質について、血中蛋白質の量的・質的変化の網羅的な解析を実施した。 BALB/cマウスに、粒子径が70nmの非晶質ナノシリカ(nSP70)を0.8mg/mouseで尾静脈より単回投与し、投与後24時間に血液を回収した。回収してきた血漿サンプルを用い、二次元ディファレンシャル電気泳動により発現変動蛋白質を網羅的に解析した結果、nSP70投与群において、生理食塩水投与群と比較し2倍以上発現が増加しているスポットが59個、逆に発現が減少しているスポットが23個見出された。質量分析装置により対応する蛋白質の同定を試みたところ、計7種の蛋白質の同定に成功した。同定された蛋白質の中で、本検討では、ヘモペキシンに着目し、以後の解析を進めた。非晶質シリカ曝露後の血中でのヘモペキシンの発現変動を定量解析するために、BALBlcマウスにnSP70、nSP300、mSP1000をそれぞれ0.8mg/mouseで尾静脈投与し、投与後24時間における血中ヘモペキシン量をELISAにより測定した。その結果、血中ヘモペキシン量はnSP70投与群でのみ生理食塩水投与群と比較して有意に増加することが明らかとなった。このことから、血中ヘモペキシン量が、非晶質シリカの粒子径の減少に伴い増加することが明らかとなった。今後は、これら血中ヘモペキシン量の増加と非晶質ナノシリカ投与により誘発される生体影響との連関解析を図ることで、ナノマテリアルの安全性を事前に予測・評価し得るシステムの確立を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)