転換期朝鮮学校の人間形成-国民教育の成立・展開・転生-
Project/Area Number |
12J00671
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology of education
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
呉 永鎬 一橋大学, 大学院社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 朝鮮学校 / 在日朝鮮人 / 教育史 / 脱植民地化 / 戦後日本教育史 / 人間形成 / 人の移動 / 1950~60年代 / 移動 / 異種混淆 |
Research Abstract |
本研究は、日本における代表的な民族学校である朝鮮学校の教育の性格を、その型が作られる1950~60年代の「教育の日常」から掬い上げ、描き出すことを目的としている。平成25年度の成果は大きく二つに整理できる。 第一に、平成24年度の調査に引き続き、全国各地の朝鮮学校をめぐり、史資料を発掘した。平成25年度には、福岡、下関、大阪、四日市、埼玉、東京の朝鮮学校を訪問し、1966年に各学校が同様のフォームで作成した『学校沿革史』を、計37冊収集することができた。朝鮮学校の「内部の声」を拾おうとする本研究において、朝鮮総連あるいは全国朝鮮学校関係者たちの研究会といった中央側の資料ではなく、各学校の現状や歴史を把握できる同資料を収集できたことは大きな成果であった。今後も一層史資料調査は続けられなければならない。 第二に、平成25年度の研究成果は、二つの論文(それぞれ近刊および査読中)、二つの書評、研究会での発表によってまとめられ、公表された。特に上記『学校沿革史』を用い、朝鮮学校による自らの教育に関する共通の語りを抽出し、その特徴を分析した。1960年代中盤の朝鮮学校においては、在日朝鮮人の子どもたちを「立派な(堂々とした)朝鮮人に育てる」ということが教育目標として掲げられていたが、それらは植民地期を生きた大人世代の経験の逆転として措定されていること――すなわち、学校に通い、朝鮮の言語・歴史・文化等を体得し、日本で朝鮮人として堂々と生きていってほしいという願いが込められていることを論じた。さらに「立派な朝鮮人」を構成する要素として「愛国であること」が度々強調されるが、日本国民にも朝鮮民主主義人民共和国の「正当な」国民にもなれない在日朝鮮人らは、朝鮮学校への関わりを通して脱植民地化の際に求められる国民国家性を動員し、「愛国」的たろうとしていたことを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)