初期読本成立史の再構築-近世日本における唐話学の展開および白話文学の受容と創作-
Project/Area Number |
12J00832
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese literature
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
丸井 貴史 上智大学, 文学部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2014: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2012: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 白話小説 / 和刻三言 / 訓読 / 都賀庭鐘 / 英草紙 / 二人称 / 岡島冠山 / 太平記演義 / 今古奇観 / 岡白駒 / 沢田一斎 / 雷峰怪蹟 / 二人称表現 / 初期読本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、中国白話小説が近世日本において、いかなる方法の訓読によって受容されてきたかという点を中心に研究を進めた。白話小説の訓読例としては、『小説精言』『小説奇言』『小説粋言』のいわゆる「和刻三言」があるが、その所収作品について、主に動詞・助詞・介詞の処理方法を検討した結果、文言文の訓読法では訓読が不可能な文章についても、文言の方法に即した訓読を行うための工夫がなされていたことが明らかになった。その最たるものが、複合方向補語が用いられている文における語順の改変である。これは一種の改竄ではあるが、訓読によって白話小説を読むという試みがそもそも無理のあることである以上、この改変もまた、白話小説を読む「方法」のひとつであったと言わねばならない。上記の内容は、『読本研究新集』第6集に、「白話小説訓読考―「和刻三言」の場合―」として発表した。 また、これと並行して、白話小説訓読の実践も試みた(「白話小説訓訳の試み(一)―『古今小説』巻十六「范巨卿鶏黍死生交」―」、『北陸古典研究』第29号)。これはあくまで研究基盤を整えるための作業であったが、この訓読文を通して白話小説と読本の文体の関連を分析することも可能であると思われる。今後の課題としたい。 本研究課題の中心テーマである初期読本については、二人称「〓(にんべん+尓)」の用法の分析を中心とする作品論をおこなった。これは、白話小説における最も一般的な二人称である「〓」が、読本を中心とする近世小説においていかに受容・利用されてきたかを踏まえた上で、都賀庭鐘『英草紙』における使用法を論じたものであり、「方法としての二人称―読本における「〓」の用法をめぐって―」として、『読本研究新集』第7集に掲載されることが内定している。 その他、日本唯一の演義小説である岡島冠山『太平記演義』の研究も進めており、こちらは来年度中の論文化を予定している。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(15 results)