重力マイクロレンズ法を用いた軽い系外惑星の検出による惑星形成理論への制限
Project/Area Number |
12J01097
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(実験)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 大介 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 系外惑星 / 重力マイクロレンズ / 惑星起源・進化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、我々の銀河系で最も一般的な星であるM型星において、氷境界の外側における太陽系外惑星の存在頻度を、重力マイクロレンズ法から求めることである。これまでに検出された全ての重力マイクロレンズイベントを再解析した結果、新しく惑星イベント候補を複数個見っけた。そのうちの一つ、MOA-2008-BLG-379は、主星と伴星の質量比が0.0069の惑星イベントであった。詳細解析の結果、レンズ天体までの距離は3.3kpc、主星質量は056太陽質量、付随している惑星の質量と軌道長半径はそれぞれ4.1木星質量、33AUであった。これらから、レンズ天体は晩期K型星であり、その氷境界の2倍外側付近に巨大ガス惑星が付随していることがわかった。 さらに、氷境界外側の惑星存在頻度に焦点を絞って、6年間にわたるMOA-II望遠鏡による観測データから惑星検出感度が高い1492イベントを抽出し、その中から実際に21個の惑星を検出した。抽出したこれらのイベントにおいて惑星の検出効率を計算し、6年間の観測から得られる惑星検出期待値を見積もった。得られた検出期待値と、実際の惑星検出数からベイズ推定を用いて、氷境界の外側における惑星頻度を見積もった。その結果、05-10AU、0.3-10木星質量の範囲において、氷境界の外側における巨大ガス惑星の存在頻度15±4%であった。同様に、質量が10-30地球質量の惑星存在頻度は52±18%であった。これらの結果から、氷境界の外側における巨大ガス惑星存在頻度は、視線速度法から得られた短周期巨大ガス惑星の存在頻度よりも高いことがわかった。また、本研究で求めた巨大ガス惑星存在頻度は、コア集積モデルの予想よりも優位に高い。一方で、氷境界の外側で巨大ガス惑星よりも10地球質量程度の惑星が多いという傾向は、コア集積モデルの予想と一致している。 このように重力マイクロレンズ法による大量の観測データの統計的解析により、惑星形成過程の解明にとって重要な知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)