膵臓癌間質相互作用における間葉系幹細胞(MSC)の関与の解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
12J01237
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
臨床腫瘍学
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤原 謙次 九州大学, 医学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 膵癌 / 間葉系幹細胞 / 膵星細胞 / 癌問質相互作用 / 癌間質相互作用 |
Research Abstract |
本研究は、近年提唱されている間葉系幹細胞(MSC)が膵癌の増殖・浸潤に関与しているという報告がなされたことより、膵間質に存在する膵星細胞を特異的に誘導するMSCが膵癌細胞浸潤の先導役として働き、原発巣でのDeSmoplasia形成に関与するのではないかと考え、これを研究課題とした、昨年度は癌問質相互作用を主導する間質細胞の表面抗原の同定を試み、CD271という表面抗原発現膵星細胞は、癌細胞の一定時間影響により一旦増加しその後減少するという現象を見出した。本年度は昨年度報告した新しい細胞分取法を用いて、膵星維胞の分取を行った後マイクロアレイに提出し、癌細胞によって遊走された膵星細胞においてNPAS1という転写因子が増加していることを見出した. このNPASLの解析において、癌細胞との共培養および上清との培養は膵星細胞中のNPAS1 mRNAを増加させた. また、NPAS1の抑制によってHGFおよびc-Metの変動がみられ、これらは癌間質相互作用に強くかかわる因子であることよりNPAS1の癌間質相互作用への関与が改めて確認された、本研究の主目的ではなかったが、癌細胞の一部に発現がみられたことより癌細胞におけるCD105とCD166の解析を同時に進めた。CD105陽性膵癌細胞が癌問質相互作用の影響を受けやすいことを突き止め、同内容の論文は英文雑誌Pancreasに掲載となった。またCD166の癌細胞における発現を解析し、CD166陽性細胞および陰性細胞は著しく機能が異なっていた。本研究では癌細胞に強く影響する/影響される間質細胞の同定を試み、1つの表面抗原の同定、そして1つの転写因子の同定を行えた。またそれに派生し癌細胞の特徴的な細胞集団を同定できえた。残念ながら目標としていた膵星細胞の純化にまでは至れなかったが、依然として予後不良であり有効な補助療法に乏しい膵癌において、新しい治療の切り口として注目される癌間質相互作用の研究に貢献できたものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初目的とした膵星細胞の純化にまでは至らず、新規治療法の開発はできていないため、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の研究課程において、間質細胞のheterogeneityは確実に存在し、かつ膵癌細胞の影響下で発現が増強・減弱するなど、より複誰なシステムを形成していることが強く示唆された。desmoplasiaを特徴とする膵癌微小環境において、間質細胞内の小細胞集団と代表的な膵癌内の小細胞集団である癌幹細胞が影響しあっているのではないかと着想を得ている. 今後は膵癌細胞および間質細胞それぞれにおいて小細胞集団を純化し、その相互作用を検証することで精密な標的治療を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)