全天・深宇宙探査による巨大ジェットをもつ活動銀河中心核の構造と宇宙論的進化の解明
Project/Area Number |
12J01510
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田崎 文得 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 活動銀河核 / ジェット / X線観測 |
Research Abstract |
本年度は、日本のX線衛星「すざく」で観測したジェットをもつ高光度活動銀河核の周辺構造の研究結果を専門雑誌で報告した。我々はジェットから放射されている電波強度から、降着流由来のX線に混ざっているジェットのX線放射を見積もるという世界初の手法を、本ターゲット天体に適用した。これによってジェットの寄与を正確に除いて解析することができ、ジェットをもつ高光度な活動銀河核は、中心核の周囲を覆うドーナツ状ダストの立体角が小さい、あるいは赤道方向のダスト吸収が小さい、という結果を得た。これはジェットをもたない活動銀河核で知られる、「高光度な活動銀河核ほど吸収を受ける確率が小さい」という関係と一致する。また、「すざく」と欧州のX線衛星「XMM-Newton」で観測されたジェットをもつ活動銀河核24天体のスペクトルを、これまでの個々の天体に対する研究で得られたモデルを利用して、統一的に解析した。その結果、ジェットを噴出している中心核を取り巻くドーナツ状ダストの立体角が、ジェットをもたない活動銀河核とどの光度でも同程度である、という結論を得た。これは銀河や活動銀河核の進化と深く関連していると考えられているジェットが、ブラックホールへのガスの供給源であるダスト構造に影響を及ぼさない、という重要な結論を示唆している。また、ジェットをもたない活動銀河核では幾何学的に薄く光学的に厚い標準降着円盤がブラックホールのごく近傍まで伸びていると考えられているが、本研究ではジェットをもつ活動銀河核の標準降着円盤が観測できるのは外側のみで、内側では分厚い高温電子雲などに円盤が隠されてしまっている可能性が示唆された。つまりジェット根元の降着流は特殊な状態になっており、ここにジェット形成のメカニズムが隠されているかもしれない。上記の結果も含め、博士後期課程で行った研究を博士論文にまとめた。また、国内学会や研究会、国際会議などで発表し、専門雑誌へ論文を投稿する準備をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)