Project/Area Number |
12J01597
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (2013) The University of Tokyo (2012) |
Principal Investigator |
大戸 達彦 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 第一原理計算 / 伝導計算 / 電子格子相互作用 / 分子熱電 / 時間依存 |
Research Abstract |
本研究では、第一原理計算によって電子と格子の移動と相互作用を計算し、分子スイッチと分子熱電の熱電の機構解明を行った。 はじめに、Cu(001)基盤上に吸着したMelamine単分子のプロトン移動によるスイッチを解析した。水素の配置によって伝導度に差が生じるため、スイッチ頻度を実験で求めることができるが、ミクロなスイッチ機構は明らかになっていない。電子格子相互作用行列から非弾性トンネル電子分光の信号を計算することができるため、実際にどのような振動モードがスイッチに関わるか、第一原理計算から調べることができる。計算の結果、スイッチ反応座標方向の振動モードが選択的に励起されることを確かめ、また一次元のポテンシャル井戸中での振動励起によって反応の近似をしてよいことを確かめた。最終的に、モデルに必要なパラメータをほぼすべて第一原理計算から求め、スイッチ確率を再現した。 次に、超長距離電気伝導特性を持っ錯体分子ワイヤーの熱電特性について調べた。それに先立ち、まずフォノンの伝導を第一原理的に取り扱う手法を開発し、カーボンナノチューブの熱輸送特性を計算した。これまで提唱されていた古典的なモデルと異なり、熱伝導度にカイラリティ依存性があることが明らかになった。この手法を錯体分子ワイヤーへ適用し、熱電性能指数ZTまでを計算した。錯体分子ワイヤーはフェルミ準位近傍に多数の鋭い状態密度を持ち、そのため高い熱起電力を持つことが明らかになった。一方、室温程度のエネルギー範囲に複数の状態が入っていることで、温度に伴って熱起電力の符号が反転することを予測した。400KのZTは0.1に達し、現実的な分子ワイヤーで計算された値としては最高の値となる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)