光誘起表面反応の単一分子計測と光触媒メカニズムの解明
Project/Area Number |
12J01740
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北口 雄也 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2012 – 2013
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 走査型トンネル顕微鏡 / 単分子接合 / フェノール / 電子エネルギー損失分光 |
Research Abstract |
当研究グルーは単分子レベルでの光反応の応用・実用例として、単分子素子の伝導スイッチを実現し制御することを目的として研究を行ってきた。単分子素子とは有機一分子にメモリやダイオードなどの機能を持たせデバイスとして活用するものである。これまで行われてきた方法では分子接合は偶発的に作られるもので統計的手法による測定に依存し、同じ構造で再現よい分子接合の形成を実現することが困難とされてきた。これに対し我々は原子分解能で表面を観察し分子をマニピュレーションできる走査型トンネル顕微鏡(STM)の利点を活かして、原子・分子レベルで分子一電極間の結合を規定し均一な構造の分子架橋を制御することを目標とした。また一分子を正確に操作することで、分子の構造や官能基が伝導に及ぼす役割を調べることが本質的であると捉えた。 フェノールを基本分子とし、極低温(5K)・超高真空条件下で表面上に孤立吸着させて測定を行った。基盤表面はフェノールと親和性が高い銅表面を用いた。フェノール分子が室温において水酸基が脱水素化したフェノキシ分子として吸着することを明らかにし、吸着状態を規定した。STM探針と基盤の間に分子を架橋させ、同じ構造で再現よい単分子接合の作製に成功した。この分子接合の伝導を計測し、分子構造と分子間相互作用がもたらす効果を調べた。水酸基をチオール基で置き換えたとき伝導度が2.1倍増加することを見出し、分子の表面へのアンカー部分が伝導度に主に寄与することを明らかにした。また電子吸引基を導入するとHOMO軌道のシフトアップにより伝導度が増加することが分かった。分子間相互作用について、接合にフェノキシ分子が隣接すると静電的引力により接合分子のHOMO軌道が安定化してシフトダウンし、伝導度が減少することを観測した。分子構造や分子間相互作用を変化することで伝導度を制御する試みが期待される。
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)