N-メトキシアミド基を利用した新規アルカロイド合成法の開発と天然物合成への応用
Project/Area Number |
12J01843
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白兼 研史 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2012 – 2013
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | N-メトキシアミド / アシルイミニウムイオン / Schwartz試薬 / 多置換アミン / アルカロイド / ゲフィロトキシン |
Research Abstract |
本年度の研究では、N-メトキシ基を反応性制御素子に用いた、効率的なゲフィロトキシンの改良全合成を達成した。1つ目の鍵反応は、N-メトキシアミドとアルデヒドとのカップリング反応である。N-メトキシアミド基は通常のアミド基に比べ、窒素原子の求核性が高くなっている。そのため、N-メトキシアミドを、アルデヒド存在下、B_F3-OEt_2で処理すると分子間縮合によりアシルイミニウムイオンが生じ、続く分子内反応によりラクタムを完全な立体選択性で与えた。その後メチルエステル基を有した二環性ラクタムに誘導し、2つ目の鍵反応であるアミド基に対する還元的アリル化に取り組んだ。この二環性ラクタムはアミド基より反応性の高いエステル基が共存しているため、DIBALなどの還元剤は使用できない。そこで、Schwartz試薬に着目した。Schwartz試薬の特徴として、エステル基が共存していてもアミド基と選択的に反応することが挙げられる。Schwartz試薬と当研究室で開発したアミド基に対する求核付加反応を組み合わせると、反応はアミド基のみに選択的に進行し、望みの多置換アミンを収率良く与えた。続いて、得られた多置換アミンの側鎖を伸長した後、メトキシ基の除去により三環性化合物を得た。この三環性化合物は2種類のエステル基を有しており、第一世代の合成経路では望みのエステルを選択的に反応させるのは困難だった。この問題を解決するため保護基を利用したが、余分な保護・脱保護の工程が必要であった。そこで、2種類のエステル基の種類を検討し、最適な組み合わせにしたところ、余分な保護・脱保護の工程を経ることなくゲフィロトキシンの全合成を達成した。 改良した合成経路は、これまで報告されている全合成例に比べて工程数が最も少なく、そして総収率が最も高くなった。以上の結果よりN-メトキシアミド基を利用した合成戦略は効率的にアルカロイドを合成できることを示せた。
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Synthetic Study of Gephyrotoxin2012
Author(s)
Shirokane, K. ; Wada, T. ; Takayama, N. ; Minamikawa, R. ; Yoritate, M. ; Sato, T. ; Chida, N.
Organizer
IKCOC-12 (The Twelfth International Kyoto Conference on New Aspects of Organic Chemistry)
Place of Presentation
リーガロイヤルホテル京都
Year and Date
2012-11-13
Related Report