単一分子トランジスタにおける伝導ダイナミクスと高機能デバイスへの展開
Project/Area Number |
12J01846
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Microdevices/Nanodevices
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂田 修一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 単一分子トランジスタ / フィードバック制御エレクトロマイグレーション / ポリフィリン分子 / 分子の回転 |
Research Abstract |
本研究期間では、(1)単一分子トランジスタの作製手法の高効率化と(2)単一ボリフィリン分子の回転現象の観測に成功した。(1)に関して、単一分子トランジスタの作製歩留まりは数%と非常に低く、様々な分子に関して統計的にデータをとる場合には、大量の実験を行わなければならないという問題点がある。その問題点に関して、「FPGAを用いた高速制御エレクトロマイグレーションシステム」をFPGAを用いて構築し、単一分子トランジスタ作製プロセスを超効率化することに成功した。また、実験の副産物として、エレクトロマイグレーションに緩和過程が存在することも突き止めた。これらのことに関して、応用物理学会で発表をおこなった。(2)で構築したシステムを用いて、当初の目的である遷移金属錯体分子の物性解明を試みる予定であったが、性質が複雑な遷移金属錯体分子に取り掛かる前に、遷移金属のホスト分子であるポリフィリン分子に関してその物性を明らかにした方がよいと考え、その物性解明を行った。その結果、STMで観測されている回転現象をトランジスタ構造で観測することに成功した。その特性評価から、ポリフィリン分子の持つ異方性分子軌道が微分負性抵抗を生じさせていること、また、金属-分子界面が分子内部の電子構造を決めていることが新たな知見として得られた。さらに、この回転現象が、電子の非弾性課程とジュール熱で生じていることも分かった。この回転現象をより制御よくすることにより、分子メモリーとしての応用が開けるということが示唆される。この結果に関して、国内学会と国際学会にて発表を行った。当初の目的である遷移金属錯体分子の物性解明は本研究期間で行うことはできなかったが、 (1)のシステムと(2)で得られた遷移金属錯体分子のホスト分子の物性の知識を用いることにより、今後遷移金属錯体分子の物性解明も容易に行われるものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)