正標数上の代数多様体に対する双有理幾何学と極小モデル理論
Project/Area Number |
12J01937
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Algebra
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 公 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012 – 2014-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 正標数 / 極小モデル / 双有理幾何学 |
Research Abstract |
私は、代数幾何学の中の極小モデル理論という分野に興味がある。代数幾何学は多項式の有限個の零点で定義される図形(代数多様体)を研究する学問で、この図形たちを分類する理論の1つとして、極小モデル理論がある。また、係数に使われる(代数閉)体の標数がゼロであるか正であるかによって、ゼロ標数の世界と正標数の世界があり、私は正標数の世界における極小モデル理論に興味がある。より具体的には、正標数における3次元代数多様体の極小モデル理論を完成させる事を最終目標として研究を続けている。(標数はゼロまたは素数になるので、ゼロでない場合を正標数という。) ゼロ標数の2次元の極小モデル理論は100年前頃に既になされていたが、ゼロ標数の3次元の極小モデル理論は1980年代になってやっと定式化および完成された。それから正標数における進展は殆ど無かったが、2013年の1月にHaconとXuによって、標数が7以上で小平次元が0以上の場合に、3次元の極小モデル理論が完成された。 本年度は、CasciniとXuとの共著"On bese point freeness in positive characteristic"によって、Hacon及びXuの結果から小平次元の仮定を外す事に成功した。つまり、標数7以上の場合に3次元の極小モデル理論を完成させる事に成功した(論文雑誌Annales Scientifiques de l'Ecole Normale Superieureに掲載予定)。また、この応用として、標数が11以上の大域的F正則な多様体の有理鎖連結性を証明する事にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、正標数の3次元における極小モデル理論を完成させる事を最終目標としていた。標数が7以上の場合には、Hacon及びXuによる論文と、私とCascini及びXuとの共著論文を合わせる事によりこれを達成する事が出来た為、概ね順調であると思う。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究費は既に辞退した為、書く必要がないかも知れないが、今後も正標数で3次元の極小モデル理論を完成させる為に研究を続けようと思っている。標数7以上の時の論法は一般の正標数には拡張できないと思われるので、別の解決策を模索しつつ、手につく問題から取り組む予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)