博物館資料と近代物産誌をつなぐ飛騨民俗データベースの構築と活用
Project/Area Number |
12J02008
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
博物館学
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松森 智彦 同志社大学, 文化情報学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | データベース / 博物館情報学 / 民具資料 / 飛騨 / 博物館学 / 民俗学 |
Research Abstract |
本研究では、北飛騨の旧宮川村、河合村、古川町、神岡町に所在する民俗資料館の民具台帳の、データベース化を目指している。本年度は、昨年度作成した旧宮川村、河合村の民具情報データベースに、古川町の民具資料のデータを追加し、データベースを完成させた。神岡町の資料は、神岡鉱山関連の民具が中心であるため、データベース化は見送った。本年度はこの民具情報データベースと、平成24年度に完成させた『斐太後風土記』データベースとの連結作業を行った。『斐太後風土記』の品目、品目種類の項目と民具情報データベースの用途の項目をリンクさせ、道具と生産物との関連付けを行った。そして、これら2つのデータベースを、報告者個人で利用しているWebサーバー上にアップロードし、ブラウザを通してデータを閲覧することができるシステムを試作した。閲覧ページは動的に生成しているため、民具関連のページだけでも、用途+道具+民具=56+215+607=878ページがある。この構築したシステムについては、第3回「知識・芸術・文化情報学研究会」に於いて「近代物産誌と民俗資料を用いた北飛騨民俗ナレッジベースの構築と活用」と題し口頭発表を行った。 また、本研究ではデータベースを用いた研究を、博物館の研究・展示・教育のサイクルに還元することを目指している。昨年度は、世界的な博物館学の先進例として、ロンドン市内の博物館調査を実施したが、今年度も渡英し博物館調査を実施した。ケンブリッジのFitzwilliam Museum、MAA : Museum of Archaeology and Anthropologyなどの博物館にて、展示構成、展示法の調査を行った。調査中にはセインズベリー日本藝術研究所にて開催された、学校および博物館における教育資料の国際的な開発についてのシンポジウムに参加した。あわせて、国内の博物館の先進例として国立歴史民俗博物館、東京国立博物館、国立科学博物館にて展示構成および展示法の調査を行った。上記調査とデータベースの内容をあわせ、報告をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
民具情報データベースに関しては、対象とする収蔵資料について網羅することができた。『斐太後風土記』データベースと連携させた閲覧システムも試作し、飛騨市教育委員会の学芸員に試供している。今年度も国内外の博物館調査を行い報告をまとめるなど、研究はおおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進に際し、自治体との研究連携が重要である。今回構築した民具情報データベースは「資料が在る」という事を整理したものであった。これに、モノ情報、コト情報を付加していくためには、自治体との連携が必要となる。各資料館の学芸員また先任者ら、郷土史家に蓄積している民俗知識、研究資料、ほか緊急雇用対策事業等での寸法、写真などの記録業務等。これらを取り込むことにより、民具情報データベースはより充実したものとなる。保存されている民具資料に、モノ情報、コト情報、民俗知識を集約させ、地域のナレッジベースとして地元の人々に還元することが大切である。本研究課題では2年を通じて調査地と強い関係を作ることができた。今後はこれを発展させ、地域博物館の心臓となるような、北飛騨民俗のナレッジベースとして成長させることが肝要である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)