Project/Area Number |
12J02139
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤井 佑介 九州大学, 人間環境学研究院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 協同学習 / GD表 / 逐語記録 / 教育方法学 / 学習ディスコースケア |
Research Abstract |
本研究の目的は心理学(特に認知心理学)を中心として行われてきた協同学習過程の分析を教育方法学的視点に拠って分析することであった。そのためには新たな分析枠組みの構築とそれに基づくツールの開発が必要であった。まず、協同学習過程の様相解釈ツールとしてGD表(Group Disscusion Diagram)の開発を行った。これは九州大学名誉教授である中村亨によって開発された発言表を基にしており、その大きな特徴は以下の2点である。まず、一見して各グループの発話の様相が把握できること、次に教師の各グループへの関わり方の特徴を抽出することができること、である。従来の発言表では複数枚に及ぶものを色を取り込むことによって一枚に集約し、様相解釈を容易にした点にGD表の開発の成果があると言える。また、分析枠組みの構築の一環として、GD表と逐語記録を授業者に提示し、インタビューを行った。その結果として、授業者はそれらの行為が反省的実践に繋がるものであると評価をした。授業中では把握できない各グループの特徴や発言の展開を知ることは授業者にとって、大変価値のあるものであり、次の授業へ繋がるものとなる。また、観察者(研究者)にとっても授業者のそれら見解は、新たな視点からの情報を得ることとなり、より多面的な協同学習過程分析の実現へと繋がっている。これは研究計画で挙げていた学習ディスコースケア(learning discourse care)の視点を新たにするものであり、研究者だけの解釈だけではなく授業者の解釈も含むことで、ケアの機能に関して重層的に捉えることができるようになった。また、研究計画においてハイブリッド型学習過程分析の実現を掲げたが、教師と研究者の2方向によるそれぞれの往還においては十分な成果をあげることができたと言える。本研究での以上の成果は、授業を一過性の生成物と捉え、直接的な教育現場への寄与を目的とする教育方法学の発展に十分に寄与することができたと考えられる。
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