近世期における公家歌人を中心とした和歌画賛の諸相に関する研究
Project/Area Number |
12J02263
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese literature
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田代 一葉 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
|
Budget Amount *help |
¥2,640,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 和歌画賛 / 堂上和歌 / 日野資枝 / 烏丸光広 / 公家歌人 / 『近世和歌画賛の研究』 / 古歌の図像化 / 『和歌問答』 / 『先考御詠』 / 売立目録 / 近世公家歌人 / 『先考御詠書集之草』 / 『絵讃便覧』 / 冷泉為久 / 古歌を書きつける画賛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実施状況としては、近世期公家歌人の画賛活動に関する研究の3年目として、画賛をより実際に即して考えるために、「和歌」「書」「画」全体を広くとらえることを目指し、現存する江戸期の画賛や絵画、歌人と絵師との関わりなどにも目配りを行い、「画」と「賛」の両面から画賛をバランス良くとらえることを重視する方向へと進めた。 本年度の具体的な成果としては、まず、近世中期を代表する堂上歌人、日野資枝の画賛活動を取り上げ、資枝の子・日野資矩が編集した詠草集『先考御詠』収載の自詠画賛約800首の傾向を分析することで、公家画賛の典型と言える画題、詠み振りについて考察した。門弟の記した聞書『和歌問答』に記された、古歌を書きつける画賛の記述からは、絵画に対する資枝の深い造詣や考え方、門弟への指導の様子などが知られ、余技とも言える画賛制作に対しても、資枝が厳密な態度をもって取り組んでいたことを論じた。これにより、これまで知られることのなかった公家歌人の画賛観を明らかにすることができたと考えている。 また、近世和歌画賛史の完成を目指し、草創期にあたる近世初期の画賛に関しても考察を行った。それまで屏風歌では、色紙形や色紙に和歌が書きつけられてきたが、桃山期に和歌を屏風などに直書き、大書きするという流行が起こり、それが和歌画賛の成立に深く関わっているのではないかという仮説に基づき、その中で寛永の三筆と称される近衛信尹の位置を確認した。さらに、和歌画賛の草創期にあって、その形成に深く寄与した人物である丸光広の作例には、のちの和歌画賛では後退していく、歌・書・画が一体となって作り上げる、伸びやかで高度な芸術性が達成されていることを示した。 これらの成果により、本研究の最終的な目標である「近世における和歌画賛の発生から終焉までを見通した和歌画賛史を完成させる」ことを前進させることができたと考えている。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(3 results)
Research Products
(8 results)
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 「日野資枝の画賛」2014
Author(s)
田代一葉
Organizer
日本近世文学会
Place of Presentation
上智大学四谷キャンパス(東京都千代田区)
Year and Date
2014-05-31
Related Report
-
-