日仏米現代ヤングアダルト文学比較研究-グローバリゼーション下における児童文学-
Project/Area Number |
12J02305
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
各国文学・文学論
|
Research Institution | Shirayuri College |
Principal Investigator |
伊藤 敬佑 白百合女子大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2012 – 2013
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2012: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | フランス思春期文学 / ヤングアダルト / 受容分析 / 比較研究 |
Research Abstract |
本年度の中心的な成果は、以下の3本の論文の執筆、及びそれらに関連する発表である。また、秋にフランスを訪問し、思春期、思春期文学、児童文学、子ども文化を対象とした4つの学会に参加して知見を広げると共に、フランス国立図書館を中心に資料収集を行った。 1、「1970年代フランスにおける思春期観・思春期文学観」 昨年度収集した資料を分析し、思春期文学の出版社側の理念と、同時期の思春期文学に対する批評言説の比較対象を通じて、1970年代フランスの思春期文学観を論じた。結果、作品の作り手側と批評者とが、批評者が作品の失敗を指弾しているにもかかわらず共有している、思春期文学観、思春期観を解明した。研究が手付かずであった同時期の思春期文学の基本的概念を解明した意義は大きい。 2、「思春期文学にみる通過儀礼と成長」 フィリップ・ラプロ作『心はチョコレート、ときどきピクルス』の結末の意味を、「成長」と捉える読み、「親への服従」と見る従来の読みを示したのちに、通過儀礼表象の分析を通じ、「大人」への変化とは異なる方向への変化への萌芽と解釈する第3の読み解きを示した。これは、他の思春期文学作品の分析にも応用しうる分析であり、このジャンル一般の意義を解き明かすために貢献することが予想される。 3、「フィリップ・アリエスの講演「子どもと文化」の解題」 子ども観研究の重要文献である『〈子供〉の誕生』を著したフィリップ・アリエスが、その16年後の1976年に、フランスの児童文学研究団体に招かれて行った講演録を全訳すると共に読み解き、日本では知られていない、『〈子供〉の誕生』以降のアリエスの子ども観研究の見地を明らかにした。基礎研究として意義の大きい研究といえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)