予測的な読みにおける推論情報の活性化と心的表象への符号化プロセスの解明
Project/Area Number |
12J02481
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Foreign language education
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 真悠子 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | リーディング / 英語教育 / 知識ベ一ス椎論 / 知識ベース推論 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は、EFL学習者の英文読解における、知識ベース推論の生成プロセスを解明することである。平成25年度の研究においては、研究テーマに関して過去に実施してきた研究を総合的にまとめ、博士論文として執筆することを行った。この論文では、主に次の三つの観点からの考察がなされている。(a)日本人EFL学習者の知識ベ一ス推論に影響するテキスト要因および学習者要因の特定、(b)大局的、局所的なレベルで生成された知識ベース推論はEFL学習者の心的表象にどのように符号化されているかの特定、(c)どのようなテキスト特徴がEFL学習者の知識構造へのアクセスを促進しているのかの特定。 この研究から明らかにされた点をまとめると、文脈の収束性に関して、物語文中に含まれる登場人物の目標情報とそれに伴う行動情報の一貫性が高まると、言語熟達度の高い学習者はそれに合わせて予測的な読み、すなわち予期的推論を生成しながら読解を行い、言語熟達度の低い学習者にとっても明示的に記述された情報の理解が促進されることが示された。また、テキストの表層的な手がかり情報は、熟達度のレベルに関わらず、テキスト情報の理解を助けるが、ストーリーの根底にある因果的な構造は、熟達度の高い学習者のみの理解を促進しており、テキストの表層的な情報を超えて存在する大局的なテーマや因果構造の把握には、一定の熟達度レベルが必要であることなどが示唆された。つまり、読み手の言語熟達度レベルが上がるにつれて、テキストの特性に応じて柔軟に推論を生成したり、読みを変化させる能力も向上すると考えられる。 また、研究発表活動としては、全5実験を構成するうちの2つ目の実験である「EFL学習者の読解における予期的推論の活性化と符号化」の研究成果をまとめた論文が、全国誌(JABAET Journal)に採択された。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)