熱帯域における対流に伴う重力波の励起,伝播,及び中層大気における気候影響
Project/Area Number |
12J02641
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土屋 主税 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 成層圏 / 大気重力波 / 衛星観測データ / エルニーニョ・南方振動 / マツデン・ジュリアン振動 / 気象学 |
Research Abstract |
対流圏の大気変動に関連して発生している対流活動は、大気重力波の主要な励起源のひとつでもあると考えられている。しかし、そのような重力波の励起は、対流活動の出現に伴って、さまざまな場所やタイミングで起こるため、これまで重力波の振幅や伝播特性の定量化が難しかった。そこで、本研究では、重力波の伝播特性や変動を明らかにするために、観測データを用いた二つの研究を行った。 はじめに、成層圏冬季における大気重力波が極渦の軸に向かうことを、観測データを用いてはじめて明らかにした。重力波は水平スケールが小さいため、重力波を直接検出できるよう、最も水平解像度の高い衛星測器であるAIRSのデータを用いた。また、重力波の水平波数ベクトルの向きのクライマトロジーをデータから検出するために、一次元ウェーブレッド変換を用いた新たな解析手法を開発した。このような重力波の南北伝播特性は、大気大循環モデルに適切に組み込まれることで、モデルの再現性を向上させる可能性がある。 次に、成層圏における重力波振幅の季節内、及び経年変動を、その経度分布に着目して明らかにした。季節内変動については、低緯度対流圏における対流活動が示すマッデン・ジュリアン振動に伴って、重力波励起源としての対流が組織化され、対流活発域の真上で、重力波が対流圏から成層圏へ伝播しやすい東西風の場を形成することによって、重力波振幅極大域が30から80日程度の周期で全球を東向きに移動することを明らかにした。また、経年変動としては、エルニーニョ・南方振動に伴って降水活発域が南太平洋城において東西に移動するのにしたがって、成層圏における重力波振幅極大域も同時に変動していることを明らかにした。AIRSの観測が約10年に亘って長期継続されたことで、このような変動の検出が可能になった。これらの結果は、中間圏への運動量輸送に明瞭な経度依存性があることを示唆している。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)