Project/Area Number |
12J02673
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Criminal law
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 結美 北海道大学, 大学院法学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 遺伝子例外主義 / 個人情報保護 / 遺伝情報 / センシティブ情報 / 保護法益 / 刑罰 / 公的価値 / 刑事法 |
Research Abstract |
本年度は、遺伝情報の刑法的保護の在り方について結論を得た。日本では、個人情報の不正取得の行為自体は処罰対象ではない。したがって、本研究課題の土台として、個人情報一般に対する刑法的保護の在り方を検討する必要があった。 フランス等の法律では、健康状態や経済状態等の、重要性の高いセンシティブ情報が一般的な個人情報より厳格に扱われる。これを参照し、刑法的保護の対象となる個人情報を①健康状態等の、個人の社会的評価を左右し得るセンシティブ情報と、②年齢・住所等の、不当に扱われることで生活に不利益が生じ得る情報に二分した。そして、①の情報は、不同意の取得等の行為が犯罪となる一方で、②の情報では、そのような行為により、本人の生活に対する不利益が生じることで犯罪となるという立法論を提示した。センシティブ情報は一般的な個人情報より厚く保護され、センシティブ情報に分類される遺伝情報も同様である。 以上を前提として、本研究課題について検討した。遺伝情報は本人や家族について広範な情報を含むので、他のセンシティブ情報よりも重要性が高く、不同意で収集・漏洩されれば、被害は甚大である。しかし、遺伝情報には医学研究の発展に資するという公的価値があるので、諸外国の法律を参照し、遺伝情報の保護と妥当な活用の均衡を可能とする立法論を試みた。 まず、医学研究目的であるとしても、本人の同意なく遺伝子解析をする行為は刑罰の対象となることが前提であり、本人の同意が有効となる条件についても、厳格な基準が必要であることを提示した。医学研究に係る遺伝情報の収集・解析等については、本人が包括的に同意しているのみでは足りず、遺伝情報が匿名化された上で研究が行われ、研究終了後は情報を破棄するという条件下で、本人が明示的に真摯に同意して初めて正当化され、これらの条件を満たさない情報収集等は犯罪を構成するという結論を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)