寄主特異的な産卵行動多型が引き金となるクモヒメバチ類の同所的種分化機構の解明
Project/Area Number |
12J02707
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biodiversity/Systematics
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
髙須賀 圭三 (高須賀 圭三) 神戸大学, 農学研究科, 特別研究員(PD) (00726028)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | クモヒメバチ / クモ / 産卵行動 / 種分化 / 寄主操作 / 網 / 網操作 / 寄生 / 網型 / 分子系統解析 / 系統樹 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、既往調査によって野外で発見したクモヒメバチ一種の産卵行動を飼育下で再現させる系の構築に着手したが、うまくいかず課題を残した。野外で成熟メスを確保することが難しく、羽化させたメスを飼育することで成熟させ供試したが、この手法では産卵しなかった。今後、野外個体による追試を行う必要がある。本種を含め、本研究で発見されたクモヒメバチ二種の野外での産卵行動は、例数の少なさから学術誌への報告は控えている。ただし、植物上に複雑で繊細な不規則網を張る寄主(ニホンヒメグモ)を室内で造網させる系を確立できたことは、今後の進展に寄与する成果である。また、本種を含め計三種で行った交尾実験がいずれも不成功に終わったことは、本研究最大の障害となった。ネガディブデータが今後の研究に活かされることを期待する。 初年度から着手したクモヒメバチによるクモの網操作には進展があった。過去二年に行った網の構造比較や造網行動観察などで、ニールセンクモヒメバチが、ギンメッキゴミグモが脱皮前に張る休息網を操作網として強制的に作らせていることは証明できた。本年度は去年度から開始した引張試験による追加試験を行い、操作網の糸の耐荷重が、休息網や円網の糸より遥かに高い一方で、応力では3つの網の間で有意差がないという結果を得た。これらは、休息網に補強の目的はないことと、操作網は、休息網を発現させた上で糸を繰り返し張らせて耐久性を向上させていることを示している。クモの脱皮期間が数日なのに対し、ハチがクモを殺してから羽化するまでに平均10日以上を要したことから、操作網の耐久性にかかった選択圧が、糸張りの繰り返しを進化させたことが考えられる。 本研究は、寄生者による寄主操作の適応的意義を物理特性から明らかにした数少ない事例であり、現在J Exp Biolの査読を受けている。また、クモヒメバチによる網操作現象を概説した論文を生物科学に発表した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(24 results)