食品成分による脳腸相関活性化を通じた脳神経系制御に関する研究
Project/Area Number |
12J02731
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied biochemistry
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
門岡 桂史 九州大学, 農学研究院, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2012 – 2013
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | Caco-2 / カルノシン / 分泌因子 / DNAマイクロアレイ / BDNF |
Research Abstract |
本研究では、食品と生体との接点としての腸管に焦点を当て、食品による腸管の活性化とそれに基づく腸から脳への情報伝達の亢進、つまり、食品による、脳腸ペプチドを介した脳腸相関の活性化とそれによる精神神経系制御の可能性を明らかにすることを目的として研究を行っている。これまでに、カルノシン処理を行ったCaco-2細胞の培養上清が神経細胞であるSH-SY5Y細胞を活性化することを明らかにしており、カルノシンの腸管における機能性について、主にCaco-2細胞を使ったin vitroの系を用いた評価を行ってきた。まず、カルノシン処理をしたCaco-2細胞の培養上清の神経細胞活性化効果に着目し、カルノシンのBDNF以外の神経栄養因子の発現に対する効果を検証した。その結果、複数の神経栄養因子についても同様に発現の増強が認められた。以上の結果から、カルノシンはCaco-2細胞の広範な遺伝子の発現に影響を及ぼしていることが予想された。 そこで、DNAマイクロアレイ法により、カルノシンにより誘導されるCaco-2細胞における遺伝子発現変化の網羅的な解析を行った。その結果、カルノシンは、Caco-2細胞において、分泌因子、トランスポーター、筋肉収縮等の機能を有する多くの遺伝子の発現に影響を及ぼすことが明らかとなった。その中で、脳腸相関を規定しうる分泌因子に焦点を当て、その遺伝子発現変化を定量Rea1-timePCR法により検証した。その結果、カルノシンは、Caco-2細胞において、エンドセリン、コレシストキニン等を含む多くの分泌因子の発現を増強していることが明らかとなった。この反応は、他の食品成分についてのDNAマイクロアレイからはほとんど得られなかったため、食品成分の中でもカルノシンにおいて顕著な反応であると考えることができた。 以上の結果から、食品として摂取されたカルノシンは、腸管上皮を活性化し、多様な液性因子の発現増強を通じて全身性に様々な影響を及ぼしうることを明らかにすることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)