転写調節因子Ifrd1を標的とする生活習慣病の新規薬物治療法開発
Project/Area Number |
12J02846
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Medical pharmacy
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 由香里 金沢大学, 薬学系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Ifrd1 / エネルギー代謝 / 褐色脂肪組織 / 皮下脂肪組織 / 交感神経活性化 / 低酸素ストレス / Wnt/β-cateninシグナル / 肥満 / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
本年度は、主に褐色脂肪細胞におけるIfrd1とエネルギー消費との関連性について検討を行った。初めに、前駆褐色脂肪細胞を用いた解析の結果、ノルアドレナリン(NA)およびアドレナリンβ3受容体アゴニストであるCL3162431 (CL)を曝露によりIfrd1の発現が著しく上昇することが判明した。Reporter assay、ChIP assayおよび遺伝子過剰発現系の解析により、このIfrd1の発現上昇に転写因子CREBが深く関与する可能性が示唆され、さらに免疫沈降法により発現の上昇したIfrd1が転写因子Sp1と相互作用することが確認された。Ifrd1とSp1の相互作用は、寒冷刺激およびNA投与後のマウス褐色脂肪組織においても観察された。 次に、Ifrd1全身欠損マウスを用いた検討を行った。CLを腹腔内に単回投与した結果、野生型に比べIgrd1欠損マウスの褐色脂肪においてエネルギー産生に関与するPrdm16およびCox5b、皮下脂肪においてPgcla, Tfam3等のmRNA発現が有意に上昇した。また、寒冷刺激により、褐色脂肪組織だけでなく皮下脂肪組織においてもIfrd1の著明な発現上昇が認められた。以上の結果から、褐色脂肪細胞において交感神経が活性化するとIfrd1の発現が上昇し、Sp1と相互作用することによりエネルギー産生関連遺伝子の発現を抑制する可能性が示唆された。この効果は、皮下脂肪組織でより観察されることから、白色脂肪細胞の褐色化に関与する可能性も考えられる。 これらの結果は、Ifrd1がエネルギー代謝制御に関与する可能性を示した初めての知見である。この研究成果は、肥満とそれに起因するメタボリックシンドローム患者数増加が深刻な社会問題化している現代の先進社会において、その新たな予防および治療法確立につながる非常に意義あるものであると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)