Project/Area Number |
12J03206
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平井 啓一朗 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ケダルシジンクロモフォア / エンジイン / クロモプロテイン |
Research Abstract |
エンジイン系抗腫瘍抗生物質であるケダルシジンのクロモフォアは、高度に歪んだ9員環エポキシエンジイン骨格とβ-アザチロシンを含むマクロライド、2種の2-デオキシ糖を有する複雑な天然物である。合成化学上興味深い化合物であると共に、その強力な活性発現機構の解明は未だ不十分である。そこで、ケダルシジンクロモフォアおよびその類縁体を合成し、生物活性の比較、ESR観測、芳香環化実験などから、活性発現機構、DNA切断の塩基選択性を化学構造レベルで解明することを研究目的としている。 我々は、当該年度の研究計画として、マクロライドの内側に位置する2つの糖部を導入するための新たなケダルシジンクロモフォアの全合成計画を立案した。これまでの研究からマクロライド構築後の糖部導入は困難であることを明らかにし、各フラグメントを連結する前に糖部を導入する事でグリコシル化の際の立体障害を克服した。さらに、グリコシル化後に全てのフラグメントを連結し、アトロプ選択的なマクロライド構築に成功した。当研究室で開発したCeCl_3を用いる9員環化反応により、全祖骨格を揃えた9員環ジインを合成した。最後にSmI_2による9員環エンジインの形成を行い、ケダルシジンクロモフォア保護体の生成を世界で初めて観測した。ケダルシジンクロモフォアは不安定であるため、最終的な脱保護は迅速かつ穏やかな条件で行わなければならない。合成した保護体は短時間で除去可能な保護基へとすでに変換してある。よって本合成ルートは全合成に向けた実践的な合成法である。本研究はケダルシジンクロモフォアの全合成に大きく貢献した。
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Report
(1 results)
Research Products
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