パースのプラグマティズムに基づく、記号論的美学の構築と実践
Project/Area Number |
12J03505
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Aesthetics/Art history
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 隆文 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2012: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | ブラグマティズム / パース / 美学 / 記号論 / インデックス |
Research Abstract |
本研究の目的は、アメリカの哲学者C・S・パースの脱人間主義的な記号過程の構想を踏まえた上で、彼のプラグマティズムに基づく美学を構想することである。平成25年度の研究では、過年度のA・ジェルに関する研究から得た成果に基づき、主にパースの心の理論を検討することで、ここから感性的表象の成立を巡る美学議論に接続することを試みた。パースの心の理論の先行研究としては、特にC・F・DelaneyとV・Colapietroの研究に注目した。 本年度の研究で得られた成果は、まず、先行研究をふまえつつも、パ一スの心の理論はA・クラークらが主張するような能動的外在主義として腕むことができるというものである。他方、パースの心の理論は、能動的外在主義としてだけではなく、特殊な自己概念を含んだ一元論的記号論として立ち現れうることも明らかになった。これは、心の哲学の根本問題として議諭が続いて来た心身問題へも新たな光を投げかける発想であると思われる。さらにこの一元論的記号論は、生命体の記号過程の進化を脱明する理諭であるという点で、生命体の美的経験の進化に対して再考をせまるものでもあると考えられる。これら諸問題が今後の課題として明らかになった。 また、平成25年度後半より(9月下旬より)、心の哲学とプラグマティズム、そして英米圏の美学の最先端の知見を得るべく、イギリスのダラム大学にて研究を行っている。パース研究の世界的な第一人者であるChristopher Hoolrway教授とも知遇を得た。この在外研究は、年度をまたいで平成26年度6月下旬まで継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度中に国際学会での発表を含む3回の口頭発表と1回の論文出版ができ、さらに、英国での在外研究も着実に進んでいる。これらの点については、順調に研究計画を遂行し、成果発表を実現できていると考える。他方、年度後半は、英国でのインプットの期間としては成功していると考えるが、成果発表の機会はこれまでよりも減ってしまった。以上のことから、「おおむね順調に進展している」という自己評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)