現代日本における葬送儀礼の実践にみる死への態度-自然葬を中心に-
Project/Area Number |
12J03611
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology/Folklore
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
金 セッピョル 総合研究大学院大学, 文化科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 死への態度 / 社会関係 / 自然葬 / 葬送の自由をすすめる会 / 日本 |
Research Abstract |
本年度は、主な調査対象であるNPO法人「葬送の自由をすすめる会」において、初めての会長交替による変化が著しく現れた年であった。その変化を捉えるために、既存のメンバーと新しく加わったメンバーとを分けて、インタビュー調査、各種集まりでの参与観察を行った。 新しい会長は、今年61才で、70~80代が中心メンバーになっていた会の中では若い世代に属する。また、いわゆるポスト団塊世代であり、これまでの戦争体験者、団塊世代の会員たちとは異なる方向性を持っているようである。既存の会の方向性が、画一的な葬法や家制度、葬式仏教への反発と脱却だったとしたら、新会長が掲げる方針は、より合理主義に基づいている。このような方針に対して既存のメンバーたちが見せる反応や対応を調べると同時に、新しい方針に賛同して集まってくるメンバーたちに対してインタビューおよび、ライフヒストリー調査を行った。 既存の世代の特徴が、①遺骨を「撒く」ことにこだわること、②国家・家・仏教といった既存の葬送を大きく形づける社会関係の拒否、③「個」の追求にあるとしたら、現段階で考えられる新しい世代の特徴は、①遺骨を「撒く」ことにこだわらないこと、②当たり前となった「個」である。彼らは、国家、家制度、仏教などが目に見える形で社会全般を支配していた頃とは違い、「個」という考え方が前提となっている時代に生まれ育った。従って既存の世代のように、ある意味、過激な形でそれまでの社会関係を否定する必要はなく、遺骨を「撒く」ことにこだわらないのではないか、という暫定的な結論が導出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの長期調査で築いた信頼関係を基に、①首都圏に居住している自然葬選択者たちの社会関係と死への態度について参与観察とインタビューの継続、②都市部以外に居住する自然葬選択者に調査拡大、③新会長体制に関する調査をおおむね進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本土とは大いに異なる環境で行われている沖縄での自然葬と、韓国における自然葬に調査を拡大する。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)