ソフト界面吸着膜におけるドメイン構造とその形成原理を明らかにする研究
Project/Area Number |
12J03699
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今井 洋輔 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 吸着膜不均一構造 / イオン特異効果 / 吸着膜ドメイン / イオンの特異効果 |
Research Abstract |
この研究の大きな目的は、イオン性界面活性剤水溶液の表面吸着膜中で存在が予想されているドメイン構造、またその様な吸着膜構造とそれを構成する化学種間の相互作用の関係を明らかにすることであった。これに関して世界でも数グループのみ可能な新規の全反射XAFS法と当研究室独自の表面張力の精密な相図解析を駆使することで電気二重層の対イオン分布の観点から不均一構造および吸着膜構造に及ぼすイオンの特異効果の解明に関して以下に報告する世界初の成果を上げた。 対イオンにBrを含む界面活性剤吸着膜において、全反射XAFSより水溶液中と同様に6水和したBr (free-Br)と、一部脱水和して活性剤イオンとイオン対を形成したBr (bound-Br)の2種が観測され、bound-Brの存在比(バウンド比)による対イオン分布の評価から吸着膜内での不均一な凝集構造の形成が示唆され、それらは親水基間イミダゾリウム環が生じるパッキングや疎水鎖長の違いが引き起こす親水基のスタッガード配列に起因することが示された。対イオンニ種類が共存する混合系ではバウンド比と界面熱力学量を併せた考察よりイミダゾリウム環とBF_4の水素結合や水和自由エネルギーの小さな対イオンが優先的に頭部近傍を占めるエンタルピーの減少、サイズの異なる対イオンが制限された電気二重層内のスペースを効果的に共有するエントロピーの増加などが対イオン分布すなわち吸着膜構造を大きく変えることが明らかとなった。 上に示した二つの手法を駆使し、通常Stern層や拡散層などを用いて表される電気二重層モデルを介さず、実験から対イオン分布を定量評価できたことの意義は大きい。これにより一部明らかとなった不均一構造、イオン特異効果に重要な対イオンの性質を用いることで、既存の電気二重層モデルの検証や新たなモデルの提案、界面熱力学量の分子論的な解釈など、界面電気現象に関する物理化学が益々進展することが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)