プラスミドDNA/キトサン/コンドロイチン硫酸三元複合体による遺伝子デリバリー
Project/Area Number |
12J03905
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nanomaterials/Nanobioscience
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
萩原 健司 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 遺伝子治療 / キトサン / コンドロイチン硫酸 / 凍結乾燥 / 自殺遺伝子治療 / ガンマウスモデル / エンドサイトーシス / 細胞内輸送経路 |
Research Abstract |
pDNA/キトサン複合体をアニオン性高分子であるコンドロイチン硫酸(CS)で被覆し、物理化学的な安定性と遺伝子発現効率の向上を目指したpDNA/キトサン/CS三元複合体の開発に成功した。三元複合体のキャラクタリゼーション、in vitroおよびin vivoでの遺伝子導入を行ない、CSをpDNA/キトサン複合体の被覆剤として使用することの効果について以下に挙げる3点を見出した。 (1)至適作製条件の決定と物理化学的安定性の評価 分子量22kDa、硫酸化度6.9mol%のCSで被覆された三元複合体は、粒子径180nm程度、ゼータ電位-40mV、均一な球状のナノ粒子を形成し、この時の構成組成比を至適作製条件と決定した(pDNAのリン酸基:キトサンのアミノ基:CSのカルボキシル基または硫酸基の電荷比;1:5:16)。至適組成比で構成された三元複合体は高い血中安定性および酵素分解酵素耐性を示し、in vivoでの使用に適した特長を有していることが期待された。 (2)複合体の細胞内動態の解明 pDNA/キトサン複合体と比較し、三元複合体は種々の細胞株において遺伝子発現効率が向上した。その理由は細胞内への複合体の取り込み量が増加したことに起因していた。そこで、複合体の細胞内取り込み機構および細胞内輸送経路を解析した。その結果、三元複合体は主に、細胞が外部の物質を多量に取り込む飲作用(=マクロピノサイトーシス)で内部に取り込まれ、プロトンスポンジ効果でエンドソームから細胞質中に脱出し、複合体の状態を維持して核内に移行していることが明らかになった。 (3)凍結乾燥製剤への応用 三元複合体は凍結乾燥し使用直前に再水和する「凍結乾燥-再水和型」製剤としての利用が適していることが見出された。さらに、腫瘍形成マウスモデルの自殺遺伝子治療を行ったところ、凍結乾燥-再水和した三元複合体は用時調製した場合と同等に高い抗腫瘍効果を発揮した。三元複合体はin vitroだけでなくin vivoにおいても高い遺伝子発現効率を示す有用な遺伝子キャリアーであることが期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)