有機合成化学的技法を用いたスピロ環を有する生物活性物質に関する研究
Project/Area Number |
12J03916
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Bioproduction chemistry/Bioorganic chemistry
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
若森 晋之介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2012 – 2013
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | スピロアセタール / 不斉合成 / 昆虫フェロモン / ジテルペン / 炭素骨格構築 / 有機合成化学 / 立体制御 / 短工程 / 炭素骨格 |
Research Abstract |
・スピロアセタールの新規立体制御法の発展とポリケチド天然物の合成研究 これまでの研究ではEnders不斉アルキル化反応を用い, スピロ中心の立体化学を制御するスピロアセタールの新規構築法を開発した。一方, 本研究では不斉アルドール反応を用いることで, 立体選択的にアルキル鎖を導入するのみならず, 生成する水酸基の立体化学も制御できると考えられる。 これまで開発したスピロアセタールの構築法を発展させるべく, 不斉アルドール反応を用いた立体制御法の確立に取り組んだ。 昨年度の結果を踏まえ, 不斉アルキル化反応を行いアルキル基を導入した後に不斉アルドール反応の検肘を行った。即ち, 出発化合物に対し不斉アルキル化反応を行いモノアルキル化体に導いた。続いて, 不斉アルドール反応の検討を種々行ったが, アルドール付加体を得ることはできなかった。原因としてアルドール反応が制御できない点が挙げられることから, 基質の検討が必要であることが明らかとなった。 ・ネッタイシマカに対する殺虫活性を有するryanodane類の合成研究 Ryanodanol及び14-O-methylryanodanolはコカノキErythroxylum passerinunの熟果から単離された, ryanodaneジテルペンであり, デング熱を媒介するネッタイシマカAedesaegytpiの幼生に対しては殺虫活性を示すことが明らかとなっている。Ryanodaneジテルペンは複雑な炭素骨格と多くの酸素官能基を有しており, その全合成は困難を極めており, 炭素骨格の効率的な構築が不可欠である。そこでryanodane骨格の高効率的構築法の開発に取り組んだ。 酸素官能基の導入にプレボスト・ウッドワード反応を応用した手法を立案し, その前駆体の合成を行った。即ち, 本研究で効率的な合成法を確立したビシクロ[3.2.1]オクタンに対し六員環セグメントの共役付加反応およびSEM基の脱保護を行いトリオンに導いた。続いて, 分子内アルドール反応および脱硫を行うことでメチル基を除くryanodaneジテルペンの全炭素骨格の合成を達成した。得られた全炭素骨格に対し, プレボスト・ウッドワード反応を応用することで, ジオールを経由せずにオルトエステルに導けるものと考えられる。後に酸素官能基およびメチル基の導入を経て, Ryanodanol及び14-0-methylryanodanlの全合成を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一つ目のスピロアセタール構築法研究では, 側鎖の立体化学と生じる水酸基を同時に制御するという挑戦的なテーマであったが, ポジティブな成果が得られなかった。二つ目のリアノダノールの合成研究では, 炭素骨格の効率的な構築を健とするリアノダンジテルペンの合成に取り組んでいる。リアノダノールは5員環と6員環が複雑に縮環した構造を有しており, そのため全合成が困難を極めていたが, 短工程にてメチル基を除く全炭素骨格を構築する手法の開発に成功した。この成果は, リアノダンジテルペンの全合成にとって大きな一歩である。
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)