胚盤胞補完法を用いた機能的な造血幹細胞への分化誘導法の開発
Project/Area Number |
12J03918
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 隆治 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 造血幹細胞 / 胚盤胞補完法 / ニッチ |
Research Abstract |
胚盤胞補完法は特定の臓器を欠損する動物の胚盤胞に多能性幹細胞を移植し、目的の細胞および臓器を作製するものであるが、現在の技術では目的とする臓器以外においてもキメラが形成されるという問題点が存在する。異種の胚発生を利用しヒト多能性幹細胞からヒト造血幹細胞のみを作成することが可能となれば、造血幹細胞移植の新たなソースとして臨床応用が期待されるだけでなく、胚盤胞補完法による臓器の作出における問題克服の契機となることが期待される。多能性幹細胞の分化を特定の方向に誘導する目的で、HoxB4を発現するES細胞をマウスの胚盤胞に注入したところ、末梢血においてはES細胞由来の血液細胞が確認されたが、体毛以外の内臓などではES細胞由来の細胞がほとんど確認されなかった。これにより、ES細胞の分化を限定的なものに誘導できうることが示された。 造血幹細胞の発生および機能維持のためには、周囲の微小環境からのシグナルが必須である。異種間ではシグナル分子と細胞表面レセプター間での交差反応性の問題が存在するため、胚盤胞補完法を用いて造血幹細胞を作成する際には、異種の体内で造血幹細胞がその機能を維持することが可能かを確認する必要がある。免疫不全マウスにヒト造血幹細胞を移植し作成した造血系ヒト化マウスは、長期にわたりヒト造血を維持し、ヒト造血幹細胞はマウス骨髄においても休眠状態で存在した。また造血系ヒト化マウスの骨髄において、ヒト造血幹/前駆細胞がマウス造血幹細胞の休眠状態を維持する造血幹細胞ニッチに存在することが確認され、休眠状態の維持にはTGFβシグナルが重要な働きをすることが示された。これらの結果から、ヒト造血幹/前駆細胞は異種であるマウスの骨髄微小環境を用いてその機能を維持することが可能であることが示され、胚盤胞補完法による異種の体内でのヒト造血幹細胞の作成につながる成果であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)