複合極限環境下におけるマルチクロミズム効果の制御と微視的電子状態の解明
Project/Area Number |
12J03921
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural/Functional materials
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三田 稔 東京大学, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2012 – 2014-03-31
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 中性子散乱 |
Research Abstract |
本研究課題を遂行するにあたり、1-単結晶試料及びその置換物質の合成。2.試料のマクロな磁気的性質の評価。3.中性子散乱実験によるミクロな磁気的性質の解明。の3点を目標に定めている。そして24年度は、主に中性子散乱実験用の試料合成と、作製した試料を用いたマクロな物性測定及び中性子散乱実験を計画していた。まず、本研究の対象物質である2b(=C5H11NO2)・3CuCl2・2H2Oについてだが、本物質は、3つの磁性イオンCu2+が反強磁性的に結合して出来た三量体を基本単位とし、この三量体が三次元的に相互作用をしている系である。この三量体内、三量体間の相互作用及び磁気構造を、中性子散乱実験を用いて解き明かしたいのだが、本物質には多量の水素が含まれており、中性子散乱実験では、それがバックグラウンドとして検出されてしまうので、本研究対象物質に含まれた多量の水素を重水素置換した試料の合成を行う必要がある。そこで、重水素化された出発物質を購入し、多量の粉末試料の合成を行い、成功した。その試料の物性を測定した所、合成を行った試料が純良な物であることを確認した。そして、合成した試料を用いて中性子散乱実験も行った。実験は、米国にあるオークリッジ国立研究所及び日本にあるJ-PARCにて行った。残念ながら、米国での実験は、試料の量が少なく失敗に終わったのだが、日本で行った実験では、三量体内の相互作用に起因した磁気励起を観測することに成功した。解析の結果、この三量体には反強磁性相互作用が働いており、その相互作用の強さを見積もることにも成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、重水素化した試料の合成及び中性子散乱実験を行うことが出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
大型の単結晶試料の合成及び、極低温での磁気構造の解明が出来ていない。また、磁場中での中性子散乱実験も推進していく。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)