Epstein-Barrウイルスゲノム複製・転写・粒子形成の場の構造解析
Project/Area Number |
12J04062
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Virology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉本 温子 名古屋大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Estein-Barrウイルス / 溶解感染 / 転写 / 後期遺伝子 / 早期遺伝子 / BMRF1-core / Epstein-Barrウイルス / ウイルスゲノム複製 / 粒子形成 / BMRF1 |
Research Abstract |
本研究は様々な癌との関連が指摘されているウイルスであるEBV溶解感染の機序を解明し、その全体像を理解することを目的としている。EBV溶解感染の全体像を理解することで、発癌を制御できると考えている。昨年度の研究成果で、EBV溶解感染時にはウイルス由来の複製装置であるreplication compartmentの内部にBMRF1-coreと呼ばれる構造物が形成され、それが複製されたウイルスゲノムの貯蔵、成熟の場であることを示した。 当該年度はさらにEBV溶解感染時における転写について研究を行った。EBV溶解感染の際に転写される遺伝子はその転写の時期に応じて初期遺伝子、早期遺伝子、後期遺伝子の3種類に分けられる。EBVは転写の際に宿主細胞のRNAポリメラーゼIIを利用して転写を行うことが知られている。RNAポリメラーゼIIとBMRF1-coreの経時的局在の変化を共焦点顕微鏡と三次元再構築を組み合わせた手法により観察したところ、RNAポリメラーゼIIは溶解感染誘導後24時間後ではBMRF1-coreの外側に局在しているが、溶解感染誘導後48時間ではBMRF1-coreの内側に局在する割合が高くなることがわかった。これらのことから、EBVの早期遺伝子、後期遺伝子は転写の場が異なることが考えられた。さらにわれわれはこれを検証すべく、FISH法、共焦点顕微鏡と三次元再構築を組み合わせた手法を用いて確認を行った。その結果、早期遣伝子のmRNAはBMRF1-coreの外側に局在しているが、後期遺伝子のmRNAはBMRF1-coreの内側に局在することを明らかにした。また、蛍光染色法により、後期遺伝子の転写に重要な役割を持つウイルス蛋白であるBcRF1もBMRF1-coreの内側に局在していることが示された。このことからも後期遺伝子の転写はBMRF1-coreの内側で起こることが示唆された。後期遺伝子は構造蛋白をコードしているため、BMRF1-coreの内部に貯蔵されているエラーが少ないDNAから転写される必要があると考えている。これは昨年度得られた結果とも一致している。これらのことからBMRF1-coreは溶解感染において重要な役割を担っていると考えられ、EBV感染制御ひいては発癌制御に重要であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)