Project/Area Number |
12J04091
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物分子生物・生理学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
和田 悠貴香 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | リン酸欠乏 / 形態形成 / 環境応答 |
Research Abstract |
リン酸は、植物にとって不可欠な三大栄養素の一つであるが、土壌中の植物が利用できるリン酸は欠乏しやすいことが知られる。植物のリン酸欠乏応答で最も顕著なのは根系の形態の変化であり、特に根毛の発生および伸長が促進される。近年、リン酸欠乏応答を制御する機構が解明されつつあるが、このリン酸欠乏時に特異的な根毛伸長の促進を制御する機構は未だ明らかではない。申請者は、リン酸欠乏時に特異的な根毛伸長の促進の制御にホスファチジルイノシトール-4-リン酸-5-キナーゼ(PIP5K)が関わるのではないかと考え、リン酸欠乏時の根毛伸長の制御における機能の解明を目的とした。シロイヌナズナの9つのBタイプPIP5κ遺伝子のうち、根毛伸長の制御に関わる遺伝子を特定するために、発現解析および遺伝学的解析を行った。リアルタイムPCR解析とT-DNA挿入変異体の表現型解析の結果から、PJP5K3とPIP5K4がリン酸欠乏時の根毛伸長の制御に関与すると考えられた。PJP5K3とPIP5K4のそれぞれの上流配列を調べると、リン酸欠乏応答を制御する転写因子PHR1の認識配列がそれぞれに存在することがわかった。これらの上流配列のうちPHR1認識配列のみに改変を加えた遺伝子をそれぞれ作製し、二重変異体pip5k3pip5k4に導入することで、リン酸欠乏に応答した根毛伸長の促進のみに欠陥をもつ植物を作製できると考えた。作製したpip5k3pip5k4に対する二重部分相補体の表現型解析およびリアルタイムPCR解析から、PHR1認識配列を介したPIP5K3とPIP5K4の転写レベルの上昇によって、リン酸欠乏時の根毛伸長が制御されることを確かめた。本研究で、リン酸欠乏応答転写因子PHR1の認識配列を介して、PIP5K3とPIP5K4の発現が上昇し、リン酸欠乏に応答した根毛伸長の促進を制御するという一連の機構を明らかにした。
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