現代インドのアパレル産業-多品種小ロット生産を支える「カースト的」スキル集約-
Project/Area Number |
12J04228
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Area studies
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川中 薫 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | インド / アパレル産業 / 技術・スキル / マネジメント / 地域研究 |
Research Abstract |
2013年度は、当該研究を博士論文としてまとめることをめざし、昨年度収集した1次テータを分析刑工すること、博士論文の槽想をつくり必要な論文の執筆を進行するところまで行った。 今年度の研究計画で、フィールドワークによる情報収集、資料解析、研究成果の発表を中心課題としているように、前期(2013年6月、10-12月)には、インド生産の委託元である、日本国内のアパレル商業主体(企業)とアパレル機材製造業者を断続的に訪問し、インド生産について情報収集を行った。昨年度収集した前期調査の結果(デリーの生産企業に関する1次データ)から、労賃、縫製分配、工費(価格 : 上代と外代の割合)、リードタイム、製品の種類、中間財取引関係の物的人的ネットワークを分析した。これをまとめ、3月に現代インド地域研究においてフルペーパー発表をした。昨年度の後期調査(南インドの産地で集中的な調査)で得られた情報に関しては、地図上にプロットする作業まで行った。 委託元のアパレル商業企業のメンバーが多く集まる時期(2014年2月)に、デリーで追加調査を行った。国内調査で学んだブランドの考えやこだわりを知りつつ、現場において生産業者(委託先)とブランドの間でなされる取引や交渉、協力、軋礫を参与観察すると、既存研究でBrand-orientedと言われる当該産業であっても、生産やスキル、マネジメントに関しては、現場の持つマネジメント(知織の総体のようなもの)の有効性があることがわかった。 2014年3月には中国(上海)の繊維・アパレルの大手商業主体を訪問し、生産に関する地域的特徴についてインタビューを行った。大量型の製品(ブランド)を扱う中国生産における現在の課題は、国内における沿岸部と内陸部の工賃競争、ミャンマーやカンボジア等の東南アジア諸国との低スキル分野の工賃競争であり、高い技術を持った多品種型の生産はコスト高の部分であるというインタビュー結果であったことからもわかるように、当該研究において地域間比較を書くことには難しさがあるということがわかった。しかしながら、グローバルに展開するアパレルブランドの、インドでの小規模生産特徴として、原料やスキルの多様性を十分に利用しながら需要への対応を行う点は特徴として明らかに主張できることがわかり、それがやや広い社会や生態的特徴との関係の中で成立していることを、博士論文の主な構想としてまとめた。全体像のうち、いくつかの論点に絞って論文として現在執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インドと国内のフィールド調査を終えることができた。生産と委託先の企業間関係、労働集約、資源の調達とネットワークにかんするデータの加工を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現地調査の結果における相関関係をより、さらなる要因分析を行う。マクロの統計資料分析の照合も含めて、労働、資源調達に閲する論文を投稿する。本年度に博士論文としてまとめ提出する。とくに、多様性を包摂する階層性のポジティブな議論を参照して、「カースト的」スキル集約という現代インド・アパレル産業で見られる人的物的資源の特徴をデリーの事例から具体的に示すことが重要な貢献である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)