シンプレクティック多様体および接触多様体内の部分多様体の研究
Project/Area Number |
12J04238
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Geometry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梶ヶ谷 徹 東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ラグランジュ部分多様体 / ハミルトン極小性 / 等径部分多様体 / Kahler C-space / 佐々木-Einstein多様体 / ルジャンドル部分多様体 / 極小部分多様体 / ガウス写像 / austere部分多様体 |
Research Abstract |
今年度は, 複素Euclide空間C^m内のハミルトン極小(H-極小)ラグランジュ部分多様体の新しい族を構成することを主な目的とした. そのために, Harvey-Lawsonにより特殊ラグランジュ部分多様体の構成手段として用いられた接束内の法束による構成方法を拡張することを試みた. まず法束の外在的性質を調べるために, 法束の部分多様体論を, Harvey-Lawsonの結果の自然な一般化のもとで展開し, 実空間形や複素空間形の場合に拡張した. この考察をもとに, 等径部分多様体と呼ばれるEuclide空間R^m内の部分多様体のクラスにおいて, 法束がH-極小になるものを完全に分類した. 等径部分多様体は, s-表現(対称空間の線形イソトロピー表現)の主軌道や球面内のOT-FKM型等径超曲面と呼ばれる非等質部分多様体などからなるクラスであるが, 球面内の等径超曲面における主要な結果や, s-表現の軌道を記述する制限ルート系などの技術を用いて, 主結果として次を示した : NをR^m内のfullかつ既約な等径部分多様体とする. このとき, νNがTR^m邑内でH-極小ラグランジュ部分多様体になるための必要十分条件は, Nがあるコンパクト単純Lie群Gの随伴表現による主軌道になることである. この系として, コンパクト半単純Lie群GのLie環g内を通るGの随伴表現の主軌道にのような軌道は複素旗多様体またはC-spaceと呼ばれるものである)の法束はTg内で非コンパクト完備なH―極小ラグランジュ部分多様体の族を与えることが従う. 今回得た例をより詳しく調べて行くことにより, C^m内の特殊ラグランジュ部分多様体とH-極小ラグランジュ部分多様体の定性的な理解につなげたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、複素Euclide空間C^m内の非コンパクト完備なハミルトン極小ラグランジュ部分多様体の例はほとんど知られていない状態であった. C^mにおいては非コンパクトな部分多様体は自然な対象であり, 今回多くの具体例を構成することに成功した, この具体例をより詳細に調べて行くことにより, 特殊ラグランジュ部分多様体とH-極小ラグランジュ部分多様体の差や, ハミルトン安定性, ハミルトン体積最小性に関する新しい事実が発見されることが大いに期待される.
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Strategy for Future Research Activity |
①今年度得た多くの具体例のハミルトン安定性やMaslov類などの性質を計算することで, 複素Euclide空間C^m内のハミルトン極小ラグランジュ部分多様体の定性的な理解につなげることができると考えている. また, 今回得た具体例は部分多様体が余等質性1以上を持つ例になっている. 等質ラグランジュ部分多様体の分類は本研究においても重要な問題の一つであり, C^m内の非コンパクト等質H-極小ラグランジュ部分多様体の存在問題を考えることは基本的である. ②ハミルトン安定性に関しては, 上述の例の他, 「複素射影空間内の埋め込まれた極小ラグランジュ部分多様体はH-安定化?」というOhやOhnitaの予想を考える上でも, 複素射影空間内の等質極小ラグランジュ部分多様体を調べることが最も基本的な問題になると考えている. ③ハミルトン体積最小化問題に関して, これまでの研究結果を参照すると, 「正のRicci曲率を持つKahle-Einstein多様体内の実形はH-体積最小性を持つ」というOhの予想を考えることが優先的である. より具体的にはKahler C-spaceの実形のH-安定性(第一固有値の評価)を考察することから始めたい.
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)