Project/Area Number |
12J04383
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials/Devices
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 和也 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 機能性酸化物 / 酸素イオン拡散 / 低温還元反応 / 単結晶エピタキシャル薄膜 / トポタクティック反応 |
Research Abstract |
本研究では、遷移金属酸化物の人工超格子薄膜を作成し、更に酸化還元法によって構造や特性を変化させることによって、物性の制御や新規機能を発現することを目的としている。今回の研究では固体中の酸素イオンの拡散と再配列に着目した。酸素イオンの拡散・再配列は固体の酸素イオン伝導としての基礎物性のみならず、エネルギー関連材料への応用の観点からも重要な特性であり、近年多くの注目を集めている研究分野である。今回は人工超格子構造による酸素イオン拡散の制御を目標として、粉末及び薄膜の形状の試料を用いて、酸素欠損ペロブスカイトAFeO_<3-δ>(A=Sr,Ca)(0≦δ≦1)の酸素イオン拡散及び再配列について研究を行った。 無限層構造AFeO_2粉末試料を用いた実験では、再酸化反応による酸素イオンの取り込みについて、熱重量変化測定から反応速度の評価を行った。その結果、SrFeO_2はCaFeO_2よりも酸素取り込み反応の活性化エネルギーが低く、酸素取り込み反応も低温から起こることを明らかにした。固体中の酸素イオンの取り込み反応に関する結果は、固体中のイオン伝導の基礎物性として重要である。 薄膜試料を用いた実験では、ブラウンミレライト構造AFeO_<2.5>の還元・再酸化過程での酸素イオンの拡散と再配列の異方性を明らかにした。おのおの配向方位を変えたブラウンミレライト構造CaFeO_<2.5>とSrFeO_<2.5>薄膜の還元・再酸化過程に要する時間と構造変化の比較から、CaFeO_<2.5>⇔CaFeO_2の構造変化では酸素イオンの拡散・再配列の反応異方性が大きいのに対し、同様の結晶構造を有するにも関わらずSrFeO_<2.5>⇔SrFeO_2ではその異方性が小さいことを明らかにした。これらの結果は、薄膜試料を使うことで還元・酸化反応ではミクロスコピックなスケールでは異方性があることを示したものである。また、結晶格子のサイズによって酸素イオン拡散・再配列の反応異方性の大きさも変化するという結果は、固体の酸素イオン拡散の観点から非常に重要なものであるといえる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)