人工的なTight Junctionバリアーの再構築と機能解析
Project/Area Number |
12J04387
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
徳増 玲太郎 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2012 – 2013
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | Tight Junction / Claudin / タイトジャンクション / ケラチノサイト / 皮膚 |
Research Abstract |
本研究の目的は、Tight Junction (TJ)バリアーの再構築し、その機能解析を行うことである。これまで、TJバリアーの再構築系を実践するために、マウスの表皮ケラチノサイトに着目してきた。マウスの表皮ケラチノサイトには、少なくとも8種類のclaudinのサブタイプが発現しており、当研究室で作製してきたノックアウト(KO)マウスを組み合わせることで、単一claudinからなる表皮ケラチノサイトの作製ができると考えた。そのため、現在、単一claudinからなる表皮ケラチノサイトを樹立するために、KOマウスの掛け合わせを継続して行っている。 さらに、本研究の過程で、発現するclaudinの種類だけでなく、その発現量もTJバリアーに大きく影響を与えることがわかってきた。これは、人工的なTight Junctionバリアーの構築を目指す上で非常に重要な知見になると考えられる。そこで、皮膚におけるTJバリアーの要となっているclaudin-1に着目をし、その発現量を制御した6系統の遺伝子改変マウスにおける、表皮ケラチノサイトの初代培養系を用いて、発現量とバリアーの相関関係を検討した。表皮ケラチノサイトにおけるバリアー能の測定には、経上皮電気抵抗(TER)、および物質透過量(FLUX)を用いて測定した。また、発現量変化において、WTを1、KOを0として、総対比をとり横軸に、バリアー能の測定で得られた値を縦軸にすることで、TERとFLUXそれぞれ、発現量とバリアー能の相関関係を調べた。結果、バリアー能と発現量は、対数近似をとることがわかった。そして、このバリアー能に相関して、in vivoにおける表現型も変化することを見いだした。一方で、claudin-1の発現量の変化に応じて、その裏打ちタンパク質であるZO-1や、AJの主要構成タンパク質であるE-cadherin、中間径フィラメントであるkeratin-5などの遺伝子発現量には変化がないことも確認している。こうした中で、このバリアー能に相関した形で、in vivoにおける表現型も変化することも見いだすことができた。バリアー能の低下が始まる発現量から、新生児のマウスにおける皮膚構築異常が観察することができ、この低下の度合いに沿った形で、皮膚構築の変化も起きることがわかった。こうした知見から、表皮ケラチノサイトの実験系は、単にバリアー能の性質を調べるだけでなく、in vivoにおける応答までを追うことができる素材であるといえるだろう。 今後は、確立した表皮ケラチノサイトの初代培養系を用いて、人工的なTJバリアーの再構成を行い、解析へと繋げていきたいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)