1980年代以降のアジアにおける女性キリスト者の思想形成-タイ北部を事例として-
Project/Area Number |
12J04739
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
History of thought
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
藤原 佐和子 同志社大学, 神学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | キリスト教 / 神学 / ジェンダー / 女性 / アジア / タイ / 思想 / 貢献可能性 / 思想史 / 宗教社会学 |
Research Abstract |
今日、全世界のキリスト者の過半数は「非欧米諸国」に生活し、その過半数は「女性」であるということが次第に認識され始めているにもかかわらず、日本の神学研究において、アジアの女性キリスト者によってどのような思想形成が行われてきたかに関する研究は十分に取り組まれてこなかった。本研究は、1970年代に徐々に執筆を開始し、主として1980年代以降に論攷を発表してきたアジアの女性神学者の中でも、人口に占めるキリスト者の割合が日本とほぼ同様であるタイに注目し、プロテスタント最大合同教派、タイ・キリスト教団(Church of Christ in Thailand)の代表的な女性神学者4名を事例として、現在に至るまで断片的な資料しか存在しなかった彼女たちの信仰による歩みと働きを掘り起こすものである。彼女たちのライフヒストリーを収集し、その神学思想の形成方法、主要な論点、射程の変遷ついて考察することによって、本研究はアジアにおいて宗教文化的な少数者として生きる女性キリスト者のキリスト教共同体内外への貢献可能性をめぐる一つの立脚点を示した。 神学研究は本来、文献研究を方法としているが、本研究は「アジアの女性たちの神学」と呼ばれる神学運動において共通語に設定されている英語だけでなく現地語(タイ語)を使用し、聞き取りと参与観察を中心としたフィールドワークを補足的に用いた点において、アジア、日本の神学研究の限界を押し進めようと試みるものである。このような実験的なアプローチを採用することには、アジアの女性キリスト者の連帯(solidarity)を提唱し、常に文脈的、実験的、可変的な試みであり続けようとする「アジアの女性たちの神学」の戦略的態度を継承しつっ、その端緒から目指されてきた「相互教育性」や「循環性」といった理念の追求に立ちふさがる言語的、地理的制約に初めて挑戦するという意図もある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
日本学術振興会の特別研究員として研究に従事することができたため、調査地の神学校等における信頼が増し、手厚い協力を得ることができた。また、タイ国立学術研究会議(National Research Council of Thailand)への研究許可の申請等もきわめて円滑に進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においては、これまでの研究における研究対象・方法論そのものをシフトさせることで専門性の強化を計る。また、新しいキーワードを加えて近接領域に広がりをもたせることによって総合性を獲得し、専門性とのバランスを生み出すことを方策として検討している。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)