唐前半期におけるテュルク人の動向とその意義--唐の遊牧国家的本質をめぐって--
Project/Area Number |
12J05231
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Asian history
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西田 祐子 大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 唐帝国 / 皇帝の側近集団 / テユルク人 / 契芯 / 『新唐書』 / 史料批判 / 唐代 / テュルク人 / テュルク系遊牧民 / 遊牧国家 |
Research Abstract |
7世紀初頭から8世紀中葉の前半期唐帝国の軍事においては、多くのテユルク人が活躍していた。特に太宗期には、契芯氏を始めとする数人のテユルク人武将と太宗との親密な関係が見出され、北魏・モンゴル帝国・清などですでに指摘されている国家創成期の皇帝の側近集団と極めて似ていることから、遊牧国家の特徴として捉えることができる。本研究の目的は、この点に注目し、テユルク人の動向を分析することにより、前半期唐帝国の国家システムを描き出すことであった。 史料としては、漢文編纂史料及び新出の石刻史料(墓誌等)を主に使用した。また、文献に加えてテユルク人の活動地であったモンゴル高原や天山地方の出土文物・景観も調査することにより、軍事の実態をよりクリアな形で明らかにするよう努めた。実際には、テュルク系遊牧民の契苾氏が活動していたと見られる河西地方(現在の中国・甘粛省)の現地調査を平成24年度におこない、史料が十分でない当該地域の地形・景観を調べた。それに加え、同地域の博物館等で、出土石刻史料の実見調査もおこなった。ただし、当該年度(平成25年度)には、実地調査をおこなうことができなかった。 また、本研究の一つの柱となるのは、漢文編纂史料の漢字一字一句レベルでの徹底的な史料批判(「基礎的分析」)である。従来、本研究分野において主に用いられてきた史料は、漢文編纂史料であった。しかしながら、それらの漢文編纂史料には問題も多く、本研究でおこなった「基礎的分析」の作業によって、編纂史料に依拠する先行研究の見直しと、新たな解釈の提示が可能となった。その成果の一部は、現在査読付き雑誌に投稿中である。 「基礎的分析」の分析対象としては、当該分野において頻繁に依拠されながらも問題の多い基本史料『新唐書』を第一に取り上げた。本分析は、基礎的かつ不可欠のものであり、唐代史研究全体への貢献も視野に入れたデータの蓄積に取り組んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)