腸管幹細胞維持におけるCDKインヒビターp57の役割の解明
Project/Area Number |
12J05266
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
沖田 康孝 九州大学, 生体防御医学研究所, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 腸管館細胞 / GO期 / p57 / CDKインヒビター / 腸管幹細胞 / G0期 |
Research Abstract |
細胞増殖の適切な制御は生体の恒常性維持の基盤である。特に組織幹細胞では増殖サイクルからはずれた「GO期」に存在することが、幹細胞性を保つのに重要であると考えられている。しかし、組織幹細胞におけるGO期維持機構の分子実態は長い間不明であった。近年申請者のグループは、細胞周期制御因子であるCDKインヒビタ-p57が造血幹細胞及び神経幹細胞をGO期に維持し、その幹細胞性を保つことに必須であることを、遺伝学的に証明した。これがすべての組織幹細胞で適応できる一般的な通則であることを証明するために、腸管幹細胞におけるp57の重要性を明らかにすることを本研究の目的とする。本年度は以下の2点を検証した。 1)真の腸管幹細胞のマーカーにp57がなり得るか。 ・免疫染色法によりp57の位置を定量化した。p57陽性細胞は+4をピークに+1から+16に分布していた ・Bmi1陽性細胞の約30%がp57を発現していた ・リアルタイムRT-PCR法により、Bmi1陽性細胞が特異的にp57を発現していることを確認した ・p57のレポーターマウスとしてトランスジェニックマウスを作製し、6ライン得られた 2)腸管幹細胞の維持にp57が必要か。 ・in vitro系として腸管のSingle cell cultureの系を立ち上げた ・in vivo系として腸管特異的p57ノックアウトマウスの作成を試みた。TAM濃度や投与期間の条件を振り、Villin-CreERT2マウス、Bmi1-CreERTマウス、Mx1-Creマウスのdeletion効率が分かった
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝学的な検証は、幹細胞研究においてはっきりとした結論を得るうえで不可欠なものである。p57はその制御があまりよくわかっておらず、昨年度作製した遺伝子改変マウスは全てp57ノックアウトマウスとなりレポーターとして機能しなかった。本年度はBACトランスジェニックマウスを作製した。確かにマウスを得ることができたが、当研究室での初めての実験であったことからマウスの作製において多くの検討が必要であったから。
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Strategy for Future Research Activity |
p57陽性細胞を可視化すること及びp57陽性細胞の細胞系譜追跡法は、この研究において必要不可欠な検証である。現在までに、DNAレベルの検証でBACトランスジェニックマウスが得られている。これからそれぞれのマウスラインがどの程度有用なのかを検証していく必要がある。 また、本年度得ることができたそれぞれのCreラインマウスの欠損効率から可能な検証実験を進める。具体的にはRosaレポーターマウスを組み合わせることにより、p57の欠損上皮と非欠損上皮を同定できる系を作る。この上で2つの上皮の差異を検出していく実験をin vivoの系とin vitro系で行っていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)