Project/Area Number |
12J05377
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Polymer chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小島 広之 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 体積相転移 / 選択的溶媒吸収 / 選択的溶媒吸着 / 下限臨界相溶温度 / ランダム共重合体 / モノマー配列 / 協同水和 |
Research Abstract |
実験的に確認されている水/アルコール混合溶媒中における架橋ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)ゲルの体積相転移及び選択的溶媒吸収現象と、電子スピン共鳴法による解析結果から示唆されるPNIPAM鎖へのメタノール選択吸着現象に関する分子メカニズムの理論的考察を行った。これまでに独自に構築してきた混合溶媒中における感熱高分子ゲルの膨潤理論を水/メタノール混合溶媒中におけるPNIPAMミクロゲルに適用し、様々な溶媒組成におけるミクロゲルの膨潤比の温度依存性を詳細に理論解析した結果、実験結果との良好な一致を得た。さらに、ゲルの選択的溶媒吸収及び高分子鎖の選択的溶媒吸着に関して、転移温度近傍においてゲルが選択的に水を吸収するとともに、高分子鎖はメタノール分子を選択的に吸着するという理論的予測を得た。また、感熱高分子水溶液の相転移温度を制御する目的から類似モノマーとの共重合による転移温度の制御が行われてきたが、ある種の感熱ランダム共重合体水溶液でみられるモノマー組成に対する相転移温度の非線形降下現象が報告されており、その分子機構は未解明であった。そこで本研究では、これまで蓄積してきた感熱水溶性高分子の研究成果を感熱コポリマー水溶液へ適用し理論的に解析し考察した。その結果、非線形な転移温度降下を再現することに成功し、文献の実験結果と理論計算結果の比較検討を行った。体積相転移温度のモノマー組成及び配列のランダムネスに対する非線形降下現象の分子機構に対する興味深い理論計算の結果を得た。これらの研究成果を国内外の学会・研究会,学会誌で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では1年目に、(1)感熱コポリマーからなる水溶液・(ミクロ)ゲルの解析、(2)溶媒間コンプレックス形成による共貧溶媒性、(3)感熱高分子水溶液の相分離挙動に対する添加塩効果に関する研究を行う計画であった。研究(2)(3)は研究をまとめて論文発表するには至らなかったが、研究(1)に関しては当初の計画以上に進展した。当初の研究計画では、論文発表と学会発表を2年目に行う予定であったが、研究成果をまとめて国内外の学会・研究会で発表を行った。また、研究成果を論文としてまとめ、査読付きの論文雑誌へ投稿し受理された。
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