Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
生命の化学進化において, アミノ酸の重合化は重要なプロセスであり, これまで鉱物の促進効果を利用した多くの重合模擬実験が行われてきた. しかし, 過去の研究はそれぞれ大きく異なった実験条件化(温度, 継続時間, 含水量, アミノ酸/鉱物比など)で実験を行っており, 互いの結果を比較することが難しい. このため, 重合に有利な鉱物種の特定は未だなされていない. そこで本研究では, 様々な鉱物をアミノ酸と混合し, 同一条件下で加熱実験を行うことで, 重合を促進する鉱物の特徴についての評価を行った. アミノ酸としては最も単純な構造を持つグリシン(Gly)を, 鉱物としては非晶質シリカ, 石英, γアルミナ, αアルミナ, ヘマタイト, マグネタイト, ルチル, アナターゼ, フォルステライト(すべて人工物)を用いた. 実験方法としては, まず『鉱物表面積1nm^2辺りに10分子のGlyが存在する』という比率でGly水溶液と鉱物粉末を混合し, 3時間撹拌を行った. その後50℃に保ったオーブンで24時間乾燥させ, 生成したGly重合物および残存するGly量をHPLCで定量した. その結果, いずれの鉱物も重合物量を大きく増加させたが, 中でもルチルが最も促進効果が大きいことが分かった. ルチルは先行研究で全く注目されてこなかった鉱物であり, その重要性が本研究で初めて見いだされた. 加熱日数を変化させるなどの実験を行い, Glyの重合速度, 成分, 平衡量などに対する鉱物の影響についての, より詳細な評価を行った.
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