接触行動、個性、遺伝子から見たゾウの社会に関する研究
Project/Area Number |
12J05462
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cognitive science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安井 早紀 京都大学, 野生動物研究センター, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ゾウ / 社会行動 / 接触 / 個体間関係 |
Research Abstract |
25年度はアジアゾウの接触行動の機能や個体間関係についてまとめ、ゾウの仕会について総合的な結論を導き出すことを目的として研究を進めた。したがって、これまでに収集したデータの分析、まとめと発表を中心に行った。まず、24年度から進めていたアジアゾウの接触行動について分析を進めた。観察の結果、アジアゾウのメス同士で最もよく観察された鼻先で相手の口を触る行動には、触り方によって2タイブあることが分かった。普段から頻繁に観察された鼻がU字型になって相手の口を触るUタイプと、触る際に鼻がねじれてS字型になるSタイプである。この2タイプの機能を分析すると、それぞれが異なる機能を持っている可能性が明らかになった。これまで鼻先で他個体を触る際の触り方による機能の違いに注目した研究は行われておらず、本研究で初めて明らかになった。口で鼻先を触る行動は、本研究においてもいくつかの先行研究でもゾウ間で最も頻繁に見られる社会行動の一つであり、この行動の機能を正確に把握することは、ゾウ間の社会関係を解明する上で非常に重要と考えられる。この成果については、6月に国際セミナー、9月と2月に国内学会またはシンポジウムで発表を行った。さらに、現在英語論文を作成し、投稿準備中である。 上記の結果を使用して、メスアジアゾウ間の個体間関係についても分析を行った。その結果、多くの個体は集団内に1~2頭、特に強い親和的関係を結んでいる相手がいることが明らかになった。さらに、ゾウは集団内で、他個体が自分以外の個体とどのような関係を結んでいるかということに影響を受けながら、このような個体間関係を形成している可能性が示唆された。また、ゾウ使いとの結びつきが強い個体は、ゾウ同士の結びつきが弱くなる傾向があることが示された。これらの結果についてはさらに詳細な分析が必要だが、アジアゾウの社会性の本質を知るうえで重要な知見と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)