中国人の日本語学習者に見られる日中同形語の誤用について-品詞の誤用を中心に-
Project/Area Number |
12J05515
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese language education
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
王 燦娟 九州大学, 大学院芸術工学研究院, 特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 中国人日本語学習者 / 日中同形語 / 品詞誤用 / 誤用状況調査 / 誤用実態 / 誤用原因 / 誤用防止策 / フイードバツク活動 / 二重誤用 / 誤用傾向 |
Research Abstract |
昨年度は文献調査を実施し、中国人日本語譜学習者に品詞が誤用される可能性がある日中同形語を「A意味と品詞における二重誤用される可能性がある語、B品詞が誤用される可能性がある語」という2グループに分けられた。また、日本語学習暦が2年~4年の中国人日本語学習者に対する誤用状況調査により、グループAの日中同形語の誤用実態と誤用原因を把握した上で、誤用防止策を立案した。さらに、大学を単位に教育改善を目的とするフィードバック活動を行った。 本年度は以下の2点を目的としている。 1. 誤用状況調査により、グループBの日中同形語の誤用実態と誤用原因を究明する。2, 誤用を確実に減少させるために、誤用状況調査の結果を取りまとめてフィードバック活動を行い、誤用防止策を提言する。 上記2点の目的を達成するために、以下の方法を用いて研究を進めた。 1. 日本語学習暦が2年~4年の中国人日本語学習者に対し、グループBの日中同形語の誤用状況調査を実施した。誤用状況調査の具体的な形式は「作文調査」であった。すなわち、調査対象者に、グループBの日中同形語を用いて文を作らせる形式であった。また、誤用の原因と母語転移の状況を確認するために、調査対象者に、先に自分で作った日本語の文に中国語の訳を付けてもらった。更に、品詞の多様性による誤用形式の多様性も有り得るので、誤用形式をより全面的に収集するために、調査対象者に複数の品詞候補があると思う語については、品詞ごとに文を作るように指示を与えた。2. グループBの日中同形語の誤用実態と誤用原因を把握した上で、誤用防止策を立案した。さらに、大学を単位に教育改善を目的とするフィードバック活動を行った。 上記の誤用状況調査を実施した結果、以下の結論を得た。 1. 品詞に異なる部分があることは品詞が誤用される可能性があるということを示唆し、母語干渉は必然的に誤用を生じさせるものである。2. 母語干渉は単独で作用するのではなく、日本語テキストにおける日中同形語の出現頻度の影響を受けながら作用している。出現頻度の高さは母語干渉を軽減ないし排除することができるため、出現頻度の高い語は出現頻度の低い語より誤用率が相対的に低い。3. 誤用防止策として、「(1)日本語教師側による、誤用されやすい日中同形語の出現頻度や豆知識を適宜増やす等の日本語テキストの改善と『毎日一語』やベン図等の形式で日中同形語の関連知識を補充する等の日本語教授法の改善、(2)中国人日本語学習者側による、日中同形語辞典を常備し、簡易語彙表を作成する等の日本語学習方法の改善、(3)日本語教育研究者側による誤用防止データベースの構築」が非常に璽要であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)