Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本研究の主目的は, 室温においても高いスピン分極率を示すCo_2Fe (Al, Si)フルホイスラー合金(CFAS)を用い, 半導体への高効率スピン注入を室温で実現である. 昨年度, 半導体(SC)へのスピン注入由来と予想されるシグナルを, フルホイスラー合金を用いて初めて, 室温で検出することに成功した. しかし, このシグナルがスピン注入由来であるという決定的な証拠は得られていなかった. 今年度はその証拠となる四端子非局所Hanleシグナルの検出を試み, 同シグナルの検出により, これまで得られていたシグナルがSCへのスピン注入に依るものであると確認した. CFASを用いた際のスピン注入・検出効率が, 一般的な金属強磁性体を用いたときよりも高いことは昨年度確認している, 今年度は, CFASが室温でもスピン注入・検出に適していることを示すため, スピン注入・検出効率の測定温度依存性を調べた. その結果, 測定温度上昇に対しスピン注入・検出効率がほとんど低下していないことを明らかにした. これらより, CFASが室温での高効率スピン注入に適した材料であると示された. スピン注入・検出効率は数%とまだ高いとは言えず, 界面におけるCFASのスピン分極率低下が懸念された. これを防ぐため, 界面への絶縁障壁層の挿入を試みた. その結果, 高スピン分極率が期待される(001)配向したGaAs/Mg_xAl_<1-x>-0/CFAS構造の作製に成功した. 昨年度は, デバイス応用上重要となる局所磁気抵抗(MR)効果の検出にもCFAS/n-GaAs接合を用いて成功し, バイアスによるスピン検出効率増大を見出していた. 今年度は, スピン検出効率の変化を定量的に評価し, バイアス印加によりスピン検出効率は最大で3倍近く増大することを明らかにした. また, スピンMOSFETのMR比を増大させる上で, スピン引抜側電極を小さくすることが有効であることを示した.
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